モデルや芸能人のように歯列の整った美しい歯は、憧れの的でもあるでしょう。歯に関するお悩みは人それぞれで、歯並びの悪さや歯の色など、見た目が気になる方は非常に多いと思います。
そんな中、「歯の大きさが違う」という見た目でお悩みの方もおられると思います。歯の大きさが違うと、見た目だけでなく全体のバランスも崩れてしまいます。
ではなぜ歯の大きさが違うことがあるのでしょうか。また歯の大きさが違う場合の治療法についても見てみましょう。
歯の大きさが違うとは?
歯の大きさは個人差があり、歯医者にある模型と同じ人はほとんどいません。また歯の形状も人それぞれ異なり、標準的な歯の大きさよりも大きい、小さいといったことは決してめずらしいわけではないのです。
では代表的な歯の大きさや形状の違いをまずご紹介しましょう。
・矮小歯(わいしょうし)・・・他の歯と比べて明らかに歯が小さいこと。乳歯のような小さい歯というよりは、どちらかと言えば細長くて小さい歯です。明らかに他の歯の大きさと形状が異なり、主に上の2番目の歯に起こりやすいと言われています。
矮小歯があると歯とはの間にすき間が生じ、見た目に問題が生じます。または並びそのものが乱れていなくても、矮小歯があることで全体的な噛み合わせがズレてしまいやすくなります。
・巨大歯・・・他の歯と比べて明らかに歯が大きい形態で、特に前歯に多く見られます。1番目の前歯の平均的な大きさは約8.7ミリ、2番目の前歯の平均は約7.2ミリくらいと言われており、これよりも大きいと巨大歯と言われるものになります。
巨大歯はかなり目立ちます。巨大歯でお悩みの方のほとんどが「巨大歯がコンプレックスで歯を削って小さくしたい」と希望されます。
癒合歯・・・癒合歯とは、成長段階で歯と歯が結合したものを言います。他の歯と比べると、2本の歯が結合しているので歯が大きく見えます。
1本で2本分の歯の大きさになるため、変わった歯の大きさで癒合歯に気づいたり、検診などで指摘されて初めてわかることがあります。
また噛み合わせも変化が起こりやすく、上下の噛み合わせに影響が出てしまいます。
歯の大きさが違う原因でもっとも多いのは、遺伝だと考えられています。またそれ以外にも、歯ぐきの状態によって歯が大きく見えたり小さく見えることがあります。歯肉退縮が起きると歯が長くなり、見た目のバランスが悪くなることがあります。
逆に歯ぐきが腫れていると、腫れぼったくなった歯ぐきが歯を覆ってしまい、必然的に歯が短く見えてしまうのです。
このように、歯の長さが違って見える原因は歯そのものと歯ぐきの状態によるものと思われます。
歯の大きさが違う場合の治療法について
前歯がすごく大きい、一本だけ歯の長さが違うなど、歯の形態が異なると見た目に大きな影響を与えてしまいます。特に前歯はとても目立つため、原因に合った治療が必要になります。
・矮小歯の治療・・・矮小歯の場合、外側からセラミックの被せ物を被せるセラミック治療が選択肢として考えられます。セラミッククラウンを被せることで気になる歯の小ささをカバーし、均一感のある歯を手に入れることができます。
また歯列が乱れている場合、先に歯列矯正を行ってからセラミッククラウンを被せる順番で行われます。
セラミッククラウンではなく、ダイレクトボンディングやラミネートべニアによる治療も有効です。ダイレクトボンディングはレジンを直接歯に盛り、形を整える方法でその日のうちに治療を終えることができます。またラミネートべニアは、セラミックの薄いシェルを歯の表面に貼り付ける治療で、矮小歯でもそれほど小さすぎない歯に対して有効な治療法です。
・癒合歯の治療・・・癒合歯は血管、神経ともに根の部分で繋がっていることが多く、治療が難しい症例のひとつです。歯列矯正を行っても正中が一致しないことが多いため、妥協点を残したまま矯正治療を終えることも少なくないようです。
・巨大歯・・・前歯が大きいから削って治したいと思うかもしれません。しかし歯は削ると知覚過敏などの症状が起きやすいため、ただ単に削るだけではいけません。削った歯の上からセラミックを被せ、噛み合わせを整える必要があります。この方法をセラミック矯正と言い、一般的な矯正治療と比べると短期間で歯の形態を整えることができますが、歯をたくさん削ることについて、慎重に考える必要があります。
・歯ぐきの形成・・・歯ぐきに問題があるために歯の大きさが気になる場合、歯肉の治療を行うことで改善が見込める場合があります。特に歯ぐきの腫れが原因の場合、歯周病リスクも伴うためまずは歯ぐきを正常な状態に戻すことからスタートしなければいけません。
まずは信頼できる医師に相談を
歯の大きさのお悩みの原因は状態により異なります。特に目立つ前歯はなんとかしたいと思われるでしょう。まずはしっかりとした診断を受け、原因に応じた治療法を選択することが大切です。