お子さんの歯並びを整える矯正治療には、第一期と第二期があります。

「歯列矯正はあのギラギラ光る矯正装置では?」と思われる方もいらっしゃることでしょう。

では小児矯正における「第一期治療」とは、どのような治療のことでしょうか。

小児矯正の第一期治療とは?正しい歯列へ導くための「骨格を整える」治療

歯並びが悪くなる原因のほとんどは、永久歯が正しい位置に並ばないことにあります。

永久歯が正しい位置に並ばないと、デコボコした歯並びになってしまいます。

この原因の多くは、後から生えてくる永久歯の大きさに対して、顎の骨が狭いということが挙げられます。

第一期治療では、いきなりブラケットとワイヤーによる治療は行われません。取り外し式の装置を使って顎の骨を広げ、永久歯が正しい位置に並ぶための土台作りを行う治療です。

第一期治療(床矯正)の特徴

第一期治療は、一般的に床矯正(しょうきょうせい)と呼ばれており、取り外し式の装置を使って顎の骨を少しずつ拡大していきます。

床矯正を始める時期は、永久歯と乳歯が混在する頃です。

乳歯が全て抜けきった後でも床矯正は可能ですが、将来的な歯並びに問題が出るかも、と言われるのは、だいたい乳歯が抜け始めるころです。

また全て乳歯の場合でも、乳歯の間に隙間がまったくなく、きっちりと生え揃っている場合にも床矯正を勧められることもしばしばあります。

床矯正の装置の真ん中に小さなネジがついており、毎週決まった角度でネジを回して装置を広げていきます。装置を広げるごとに顎の骨も少しずつ広がり、永久歯列が正しい位置に並ぶことが期待できます。

床矯正による矯正の特徴として、まず抜歯をすることはないことです。

抜歯は、小さなお子さんにとってストレスになる場合があります。

また歯が生え揃ったあとに歯列矯正を行う場合、健康な小臼歯を抜く場合があります。

せっかく生えてきた永久歯を抜くのはためらいがあることでしょう。

これに対し床矯正は、歯を抜くことなく顎の骨を広げていくため、ある程度きれいな歯並びに整えることが可能なのです。

デメリットとしては、ネジを回すのを忘れてしまうこと、学校などで友達とぶつかったりすることで装置が壊れてしまう可能性があることです。

ネジの巻き忘れはご家庭で工夫し、学校などで起こるアクシデントによる破損の場合、装置の修理が可能です。

ただし口をぶつけてしまったら、装置で怪我をする可能性もあるため、くれぐれも注意して過ごしてもらって下さい。

第一期治療で歯並びを整えた後に第二期治療できれいに揃えます

第一期、つまり床矯正である程度きれいに整えた後、もう少し調整が必要な場合は第二期治療に移ります。

第二期治療では歯の表面にブラケットをつけたワイヤー矯正や、マウスピース矯正によって、よりきれいに歯並びを整えていきますが、中には第一期治療で非常に良い結果を得る場合もあります。

この場合、第二期治療に進まず、リテーナーをつけて後戻りを防ぐことになるでしょう。

お子様の歯並びについて心配事がある場合は、できるだけ早めに歯科医院へ相談されることをお勧めします。

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コラム監修者

はぴねす歯科緑地公園駅前クリニック 院長 松浦 裕矢

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