「部分矯正に興味があるけど失敗したくない」
部分的に歯並びを整えたいけど、失敗することが怖くて治療に躊躇していませんか。
部分矯正は前歯を中心に歯並びを整える矯正方法です。
全体矯正と比べて移動させる本数が少なく、歯並び全体の中でも動きやすい前歯を移動させる治療です。
しかし、部分矯正をしたことによって、噛み合わせが悪くなったり、見栄えが悪くなったりしてしまうこともあります。
今回は、部分矯正の失敗事例と失敗しないための対処方法を紹介していきます。
部分矯正の失敗事例
部分矯正の失敗事例には、以下のような事例があります。
・歯根の露出
・歯列の悪化
・噛み合わせの悪化
・虫歯や歯周病の悪化
・エナメル質を削りすぎた
・後戻りが起きた
・矯正による効果が薄い
矯正治療をおこなったにも関わらず不正咬合が改善されなかったケースや、矯正治療中に患者様が不安を感じてしまうケースも失敗としてのケースに含まれます。
歯根の露出
1つ目の失敗事例は、部分矯正によって歯根が露出したケースです。
歯は顎の骨に埋まっているため、歯根部分は歯茎に覆われて隠れています。
しかし、矯正によって歯に力をかけることで、歯槽骨の吸収を引き起こすことがあり、歯肉が退縮して歯根が露出してしまいます。
歯根が露出していると、知覚過敏や虫歯の原因になるほか、見た目も悪くなってしまいます。
歯列の悪化
2つ目の失敗事例は、部分矯正によって歯列が悪化してしまうことです。
多く見られるのは正中線がズレてしまうことです。
デコボコだった歯並びは矯正されたとしても、正中が合わずに矯正が失敗してしまうことも多いです。
上下の歯を噛み合わせたときに、上下前歯の真ん中のズレが著しいと、咀嚼や発声に弊害をもたらす可能性があります。
噛み合わせの悪化
3つ目の失敗事例は、噛み合わせが悪化してしまうケースです。
矯正治療の目的は、不正咬合を治して顎や口腔機能の向上を図るとともに、歯並びの審美性を向上させること。
しかし、部分矯正を希望される患者様の多くは審美性を重視しており、噛み合わせまで考慮されていない方が多いです。
出っ歯や八重歯が綺麗に矯正されて審美性が向上したとしても、矯正によって噛み合わせが悪化してしまうケースもあります。
虫歯や歯周病の悪化
4つ目の失敗事例は、虫歯や歯周病が悪化してしまうケースです。
矯正がきっかけで口腔内が不衛生となり、虫歯や歯周病になってしまうケースもあります。
原因としては「矯正器具の衛生管理を怠っている」「口腔内のケアがきちんとできていない」などです。
矯正を進めるうえで虫歯や歯周病が発見された場合は、矯正治療を一旦ストップして治療を優先します。
マウスピース型の矯正器具を使っている場合は、虫歯や歯周病によって歯に合わなくなってしまうこともあり、再度型取りからしなければいけないことも。
矯正期間中に口腔内トラブルが発生すると治療期間が伸びてしまい、矯正治療に時間がかかってしまいます。
当初設定した治療期間を超えてしまうことも失敗事例として含まれるでしょう。
エナメル質を削りすぎた
5つ目の失敗事例は、エナメル質を削りすぎてしまったケースです。
部分矯正の場合、歯が密集しており移動させるスペースがないときは、エナメル質を削ってスペースを作ります。
しかし、エナメル質を削りすぎてしまい、必要以上に隙間をあけてしまうと、予定していた矯正期間内に歯を動かすことが難しくなってしまいます。
また、エナメル質を削れる量には限界があるため、必要以上に削ってしまうと、歯が小さくなったり、知覚過敏になったりすることもあります。
部分矯正はあくまでも前歯のみの治療になるため、治療前にしっかりとカウンセリングを受けて最終的な仕上がりを確認しておきましょう。
後戻りが起きた
6つ目の失敗事例は、後戻りが起きてしまうことです。
「後戻り」とは、矯正によって綺麗に整えた歯並びが、時間が経過するとともに元の状態に戻ってしまうことです。
矯正治療は歯を動かす期間と歯を固定する期間があり、両期間ともに治療に専念することで綺麗な歯並びを手に入れることができます。
後戻りが起こるときは必ず原因があるため、原因を理解して適切な対処をすることが重要です。
矯正による効果が薄い
7つ目の失敗事例は、矯正による効果が薄いことです。
部分矯正による効果を受けられないときはいくつか要因があります。
・矯正器具を装着する時間が短い
・保定期間中に矯正器具を装着する時間が短い
・治療期間中に虫歯や歯周病になってしまった
矯正による効果が薄い場合は、医師側の治療に問題があるケースもありますが、患者様自身に問題があるケースもあります。
矯正治療には決まったルール(矯正器具の装着時間など)があるため、矯正による効果を最大限感じるためにも、医師の指示には従っていただくことが重要となります。
部分矯正で失敗しないための対処方法
部分矯正で失敗しないための対処方法を紹介します。
・部分矯正の実績や経験がある歯科医院を選ぶ
・歯や矯正器具のケアする
・定期健診を必ず受ける
・全体矯正を選択肢に入れる
部分矯正の実績や経験がある歯科医院を選ぶ
部分矯正をするときには、部分矯正の経験や実績が豊富な歯科医院を選びましょう。
歯医者の中でも得意とする診療科目は異なり、矯正治療に関する知識や経験も歯科医師によって変わってきます。
また、歯科医院を選ぶときは治療方針や治療のやり方も確認しておきましょう。
もし、不安を感じる部分があるのであれば、複数の医院にて矯正相談をして、最も信頼できそうな医院を選ぶことがおすすめです。
歯や矯正器具のケアする
矯正期間中は、歯や矯正器具のケアを徹底して口腔内の環境を清潔に保ちましょう。
歯や矯正器具のケアを怠ると口腔内トラブルの原因になってしまいます。
・虫歯や歯周病
・口臭
・黄ばみや着色
特に虫歯や歯周病になると、矯正治療がスムーズに進まなくなる他、せっかく動かした歯が元の位置に戻ってしまう後戻りの原因にもなってしまいます。
歯のケアに関しては、歯磨きやデンタルフロスを使って、歯垢が残らないように掃除をしましょう。
矯正器具に関しては、取り外せないブラケットやワイヤーの場合は、歯ブラシやタフトブラシを使って、歯とワイヤーの隙間をしっかり磨いて、装置の歯の間に汚れを残さないようにすることも大事です。
マウスピースの場合は、取り外したタイミングでこまめに水洗い、さらにマウスピース専用の洗浄剤を使って殺菌・消臭をおこないましょう。
定期健診を必ず受ける
歯列矯正後の保定期間中は、定期健診を必ず受けましょう。
目安としては3ヶ月おきに定期健診を受けることで、歯のトラブルが発生したとしても、早期に対応できます。
特に保定期間中は、後戻りを防ぐための重要な期間です。
定期的に歯科医師に歯の位置を確認してもらうことで、後戻りを事前に防げます。
また、定期健診では口腔内の衛生状況を保つために、クリーニングなどもおこないます。
クリーニングでは、歯や歯茎に付着したプラークや歯石、着色の除去ができるので、虫歯や歯周病予防にも最適です。
全体矯正を選択肢に入れる
部分矯正で失敗しないためには全体矯正も視野に入れましょう。
部分矯正のデメリットを全体の噛み合わせが作れないことです。
「前歯のデコボコや出っ歯を治したい」と思って部分矯正を選択する患者様が多いですが、無理に部分矯正をしても、噛み合わせが崩れてしまうケースもあります。
矯正治療の目的は、歯並びを綺麗にすることだけではなく、正しい噛み合わせを作ることです。
噛み合わせが崩れていると、「虫歯や歯周病になりやすい」「顎関節症になりやすい」「頭痛や肩こり、腰痛になりやす」などの悪影響があります。
自分の歯並びを矯正するには、部分矯正が最適なのか、それとも全体矯正が最適なのかをしっかり相談したうえで決めましょう。
まとめ
部分矯正の失敗事例を7つ紹介しました。
・歯根の露出
・歯列の悪化
・噛み合わせの悪化
・虫歯や歯周病の悪化
・エナメル質を削りすぎた
・後戻りが起きた
・矯正による効果が薄い
部分矯正で失敗しないためにも対処方法を理解しておきことが大切です。
・部分矯正の実績や経験がある歯科医院を選ぶ
・歯や矯正器具のケアする
・定期健診を必ず受ける
・全体矯正を選択肢に入れる
部分矯正での失敗を避け、綺麗な歯並びを手に入れましょう。
コラム監修者
はぴねす歯科緑地公園駅前クリニック 院長 松浦 裕矢
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