「子供の歯並びを治したいけど、失敗したくない」
「どのような失敗事例があるのか知りたい」

子供の歯並びが気になり、小さいうちに治してあげたいけど、高額な費用を払うからには失敗したくないですよね。

実際に小児矯正をおこなった方の意見には「歯並びが悪化した」「抜歯をして後悔した」など、悪評を目にすることもあります。

今回は、小児矯正で失敗したケースと失敗しないための対策を紹介します。

お子様の小児矯正を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

小児矯正が失敗したケース


小児矯正が失敗してしまうケースは7つあります。

  • 治療が終わらない
  • 予期せぬ抜歯があった
  • 噛み合わせの悪化した
  • 後戻りが起きた
  • 歯茎が下がってしまった
  • 虫歯や歯周病になった
  • 拡大床のトラブルが起きた

実際に失敗した事例を紹介していきます。

治療が終わらない

矯正治療は長期間を要するため、治療期間が長引くことがあります。

治療開始前の説明では2〜3年で完了予定だったにも関わらず、5〜10年治療を続けているケースもあります。

矯正を始めて歯並びが改善されていれば問題ありませんが、治療前と比較して歯並びが改善されていない場合は注意が必要です。

「不十分な検査」「床矯正によるトラブル」「矯正治療を始めるタイミングが不適切」「治療計画の見直しがされなかった」などの原因があります。

また、お子様の悪癖(指しゃぶり、舌癖など)の影響から治療期間が伸びてしまうこともあります。

歯並びの改善を実感できない場合は、セカンドオピニオンを受けるべきでしょう。

予期せぬ抜歯があった

予期せぬ抜歯を強要させられることがあります。

抜歯の必要性を患者様が判断するのは難しいかと思いますが、十分な検査や説明がない状態で抜歯を勧めてきたら要注意です。

歯科医師の判断で、抜く必要のない歯を抜いてしまうケースもあります。

矯正治療では必ずしも抜歯が必要とは限りません。

抜歯した歯を元に戻すことはできないのでよく検討したうえで判断しましょう。

レントゲン写真による説明がない場合は、担当医に説明を求めるようにしてください。

関連記事:小児矯正は抜歯なしでもできる?抜歯が必要なケースとは?

噛み合わせの悪化した

歯並びは改善されたとしても、噛み合わせが悪化してしまうケースです。

見た目の審美性がよくなったとしても、噛み合わせの機能が悪化してしまうことも。

子供の噛み合わせは、乳歯の1番奥にある歯が、上下の位置でほぼ一致しているかどうかで判断します。

しっかり計画を立てたうえで治療を進めないと、不正咬合が進行して噛み合わせにズレが生じてしまいます。

歯並びだけを無理やり治そうとすると、噛み合わせのズレが生じてしまうため、治療計画と治療方針をしっかり立て、確認することが大事です。

後戻りが起きた

矯正後に後戻りが起こるケースもあります。

後戻りとは、矯正によって動かした歯が元の位置に戻ってしまうことです。

矯正治療後に、動かした歯を保定するためにマウスピースを装着しないと、後戻りする確率が高まります。

小児矯正は、歯を正常な位置に動かしつつ、歯を支える歯槽骨を育てるため、治療が長期間化することも。

しかし、正しい治療を続ければ、若いうちに治療をすることで、後戻りはしにくくなります。

歯茎が下がってしまった

小児矯正で歯茎が下がってしまった事例もあります。

小児矯正で歯茎が下がってしまう原因は、力のかけすぎです。

矯正では歯に力を加えることで、歯槽骨の吸収と再生を起こして歯を動かします。

適切な力であれば吸収と再生のバランスが保たれますが、力をかけすぎると歯肉退縮が起こり歯茎が下がって見えてしまいます。

歯茎が下がるといくつかデメリットも。

  • 歯が長く見える
  • 老けた印象となる
  • 歯と歯の間に隙間ができる
  • 虫歯ができやすくなる
  • 知覚過敏になりやすい

適切な力が加わっているかどうかを定期観察して、過度な力がかかっている場合は矯正器具を見直す必要があります。

虫歯になってしまう

小児矯正中に虫歯になってしまうケースもあります。

虫歯になる原因は、口腔内環境の悪化です。

磨き残しによる細菌の増加や、糖質が含まれる過度な食事など、さまざまな要因から虫歯になってしまいます。

虫歯の程度がひどいと、小児矯正の中止が必要になることもあります。

虫歯治療と並行して、小児矯正を進めることはできないためです。

また、虫歯が悪化すると歯を削る必要があり、歯の形状が変わってしまいます。

マウスピース矯正の場合は、歯の形が変わることによって、マウスピースを再作製しなければいけません。

小児矯正にかかる費用や期間が増えるため、治療が思うように進まなくなってしまうでしょう。

拡大床のトラブルが起きた

拡大床によるトラブルが起こることもあります。

拡大床とは、顎の成長を利用して顎を広げるための装置のことです。

上顎や下顎の歯を外側に移動することで、歯を移動させるスペースを確保できます。

しかし、実際には、拡大床を使ったとしても顎の骨は広がらず、歯だけが斜めに広がってしまうことも。

なかには出っ歯になってしまい、矯正前よりもひどい歯並びになってしまうケースもあります。

関連記事:小児矯正で顎を広げる理由とは?メリットやデメリットを解説

小児矯正で失敗しないための対策


次に小児矯正で失敗しないための対策を3つ紹介します。

  • 十分な検査をする
  • 抜歯の必要性の確認
  • 歯科医院の選び方

十分な検査と説明を受ける

治療前の検査を十分におこないましょう。

矯正治療前の精密検査と、検査結果に基づく診断や説明が不十分のまま治療を開始してしまうケースがあります。

十分な検査と説明をしたうえで、治療を進めてくれる医院であれば問題ありません。

しかし、検査や説明が不十分な歯科医院は、矯正治療を開始したあとの経過が不透明なまま治療が進んでしまうことも。

また、矯正治療では「セファロ」と呼ばれるレントゲン写真の撮影をもとに、患者様の歯列を診断したうえで治療計画を立ててきます。

数年先までの治療計画が不透明な場合は治療が長期化する恐れも。

検査前に適切なプロセスを省略してしまうと、噛み合わせの悪化や歯列にトラブルが生じる要因になってしまいます。

特に、矯正治療の期間や矯正治療の理解が乏しいまま、治療を開始してしまうのは危険です。

矯正治療は専門性が高い治療となるため、一般歯科医の矯正治療を受けるのではなく、矯正治療を専門とする歯科医院で検査と説明を受けるようにしましょう。

患者様が正しい知識を持って、矯正治療を始めることが失敗を防ぐポイントとなります。

抜歯の必要性の確認

矯正治療開始前に抜歯の有無を確認しておきましょう。

必要がある抜歯であれば問題ありませんが、異常な場所から生えていることを理由に、抜歯をしてしまうケースもあります。

担当医から「なぜその歯を抜く必要があるのか」を明確に説明うけたうえで、お子様と保護者様が納得したうえで抜歯をおこないましょう。

小児矯正は抜歯をせずに矯正できる可能性も十分にあります。

一度抜歯した歯は生えてこないため、抜歯を勧めてきたときは、しっかり検査や説明を受けるべきです。

もちろん抜歯自体が悪いことではないため、矯正治療に必要な抜歯であれば、最終的に歯列がキレイになる要因となります。

歯科医に抜歯を推奨されたからといって、安易に抜歯すると後悔することもあるため、十分に説明を受けるようにしてください。

歯科医院の選び方

小児矯正を失敗しないためには、歯科医院の選び方も重要です。

小児矯正は専門性が高い治療になるため、歯科医師の経験や実績も影響します。

歯科医院のなかには、小児矯正の経験が不足しているにも関わらず治療するケースもあります。

そのため、「日本矯正歯科学会の認定医」がいる歯科医院を選ぶようにしましょう。

日本矯正歯科学会の認定医名簿一覧(https://www.jos.gr.jp/roster)から、最寄りで信頼できる歯科医院を探せます。

小児歯科であっても、小児矯正が得意とは限りません。

矯正治療を得意とする歯科医院での治療を受けるようにしましょう。

まとめ

小児矯正を失敗してしまうケースは7つあります。

  • 治療が終わらない
  • 予期せぬ抜歯があった
  • 噛み合わせの悪化した
  • 後戻りが起きた
  • 歯茎が下がってしまった
  • 虫歯や歯周病になった
  • 拡大床のトラブルが起きた

小児矯正を失敗させないためにも、「十分な検査をする」「抜歯の必要性を確認する」「矯正治療を得意とする歯科医院を選ぶ」の3つを意識して小児矯正を検討してください。

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はぴねす歯科院長

コラム監修者

はぴねす歯科緑地公園駅前クリニック 院長 松浦 裕矢

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