「小児矯正を第1期でやめるべきか」について悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
子供のために矯正をさせていたものの、小児矯正だと第1期だけでなく、第2期といった子供の成長段階に合わせて矯正を行わなくてはなりません。
そのため、子供の負担を懸念して以下のように悩んでいるのではないでしょうか?
「小児矯正を第1期の時点で辞めたらどうなるの?」「子供の負担が大きいから早い段階でやめさせてあげたい」「通院とか支払いが負担になる」
小児矯正は確かに親御さんや実際に治療を受けるお子さんにも負担がかかる治療です。どうしてもやめたくなった場合にはやめられるのですが、いくつか注意点が存在しています。
そこで今回は以下のトピックについて解説します。
- 小児矯正を第1期でやめるケース
- 小児矯正の第1期の目的
- 小児矯正を第1期でやめる判断は難しい
- 小児矯正を第1期でやめる場合の注意点
この記事では小児矯正を第1期でやめてしまう際の注意点やそもそも第1期治療は何を目的としているのか、実際にやめてしまうケースについても紹介します。
小児矯正を第1期でやめてしまっても子供の歯並びを綺麗にできるのかと悩んでいる親御さんはぜひ参考にしてください。
小児矯正を第1期でやめるケース
小児矯正を第1期でやめるケースとして多いのが以下の4つです。やめる原因によって、小児矯正が後々に与える影響が変わってくるため、まずはやめることになりやすい原因を知りましょう。
通院が困難
毎月の定期治療のための通院が困難になるケースです。親御さんの転勤やお子さんの留学、進学などで定期的に通院することが難しくなることが多いのですが、こういったケースは治療を断念せざるをないでしょう。
引っ越した先の歯科医院で治療を受けられますが、引継ぎによる別途治療費がかさむ可能性が高いです。
費用の支払いが困難
費用の支払いが困難になることによって治療を断念する方もいます。第1期で必要になる治療費は20万〜60万円ほどで、2〜3年ほどかけて支払うことが多いです。
そのため、お子さんの歯の状態にもよりますが、最大毎年20万円ほどの支払いが求められ、払えなくなることがあります。保険適用外なので、費用面の試算したうえで治療を進めましょう。
お子様自身の意思
お子様自身が小児矯正の治療をやめたいと思って、小児矯正を中断するケースも少なくありません。小児矯正は個人差がありますが、第1期だけでも約2年〜3年ほどかかり、第2期矯正と合わせると約5〜6年の時間が必要になります。
矯正期間中、食後の後の歯磨きや口の中に装置を付けているという状態を維持し続けるというのは、大きなストレスなのでやめる方が多いです。
1期治療だけで歯並びが良くなった
第1期治療だけで歯並びが良くなったため、治療をやめるというケースもあります。しかし、第1期治療は第2期治療のための準備段階で前歯の噛み合わせと歯並びをよくすることが目的です。
そのため、歯並びが良くなったように見えても一時的なもので、子供の成長に合わせて第2期治療をおこなわなければ歯並びが悪くなるケースもあります。もちろん、小児矯正によって前歯の歯並びをある程度整えることが目的であれば第1期治療で終了すると良いでしょう。
関連記事:小児矯正の期間は?開始時期と第一期・第二期の治療期間について
小児矯正の第1期の目的
小児矯正の第1期の目的は主に2つで、「前歯のかみ合わせをよくすること」と「見える前歯の歯並びを一時的に並べること」だけです。そのため、第1期で治療をやめてしまうと、思春期を迎えて顎の成長や永久歯の生え代わりによって歯並びが悪くなることはよくあります。
あくまで顎の成長や永久歯の生え代わりを綺麗に生えさせるための準備ですので、その点を把握したうえで治療を始めましょう。
具体的な治療内容と治療段階による目的を知りたい方は以下のURLを参考にしてください。
小児矯正を第1期でやめる判断は難しい
小児矯正を第1期でやめるかの判断は難しいです。実際、第1期だけで歯並びが良くなって治療をやめるケースや、保護者の希望によってやめるケースもあります。
特に辞めてしまう理由として多いのが、保護者の都合で治療費の支払いが苦しくなったり、転勤になってお子さんを通院させられなくなったりする場合です。このように小児矯正は治療を受けるお子さんだけでなく保護者にも負担がかかります。
全ての治療をおこなう場合に支払う費用や通院のシュミレーションをしておきましょう。
小児矯正を第1期でやめる場合の注意点
小児矯正を第1期でやめる場合の注意点は3つあります。途中で中断するリスクを知ったうえで、小児矯正をやめるかどうか判断するようにしましょう。
後戻りのリスク
小児矯正を中断する際に注意点として抑えておきたいのが後戻りのリスクです。矯正により、歯を正確な位置に動かせたとしても、その後の保定期間が無ければ、動かした歯も逆戻りします。
特に第1期矯正は歯を並べることが目的です。その後のケアをせずにやめてしまうとほぼ確実に元の歯の位置に戻るでしょう。
顎関節症になるリスク
途中で小児矯正をやめてしまうと顎関節症になる可能性が高いです。実は第1期治療は前歯を中心とした歯並びを整えるだけでなく、後に生えてくる永久歯が理想的な位置に生えるように顎の成長を促す効果もあります。
治療を中断してしまったが故に永久歯の生え方が悪く、顎関節症になるケースは少なくありません。
理想の歯並びになるとは限らない
小児矯正を第1期だけおこなったからといって、理想の歯並びになるとは限りません。小児矯正は第2期治療を含めて1つの治療なので、第1期治療だけでは歯並びの土台を作るだけで、将来的に理想の歯並びが実現できるわけではありません。
まとめ
小児矯正を第1期でやめることは基本的に避けたほうがいいです。しかし、子供の歯並びを綺麗にしてあげたいと考えているのであればできるだけ継続しましょう。
今回紹介した途中でやめてしまうリスクや第一期治療の目的を念頭に置きながら、矯正治療を続けるかやめるのかを判断すると良いです。
コラム監修者
はぴねす歯科緑地公園駅前クリニック 院長 松浦 裕矢
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