「小児矯正の保定期間ってどれくらいの期間が必要なのか」について気になっている方が多いのではないでしょうか?

保定期間とは歯を矯正した後に歯の位置を固定するための期間です。

しかし、歯を動かしたあとはあまりお子さんに負担をかけたくないと考えている親御さんが多いでしょう。

そのため、小児矯正の保定期間に対して以下のような疑問や悩みを持っていませんか?

「どうして歯を動かした後にに保定期間が必要なの?」
「実際どれくらいの期間、装着しなければならないの?」
「子供だったら特に保定期間とかいらないんじゃないの?」

保定期間とは矯正して動かした歯をしっかりと固定するための治療期間のことで、保定期間がなければせっかく歯を動かしても全く意味がありません。

なぜならどうしても人間の歯の性質上、歯を動かした後は元の位置に戻ろうとする力が強く働くからです。

しかし、どれだけ注意していても後戻りしてしまう原因や防止方法を知っておかなければ後戻りのリスクが高いでしょう。

そこで今回は以下のトピックについて解説します。

  • 小児矯正で保定装置(リテーナー)を装着する期間
  • 小児矯正で保定装置(リテーナー)を1日サボるとどうなる?
  • 小児矯正で後戻りする原因
  • 小児矯正で後戻りを防止する方法
  • 小児矯正で後戻りした場合の対処方法

この記事では小児矯正で保定装置を装着する期間や後戻りが起きてしまう原因、防止する方法や対処方法についても解説します。せっかく矯正して整えたお子さんの歯の後戻りを防ぎたいと考えている親御さんはぜひ参考にしてください。

小児矯正で保定装置(リテーナー)を装着する期間


小児矯正で後戻りを防ぐためは約2年ほど保定装置を装着しなくてはなりません。特に子供は大人と比べても歯を動かしたあとの根元が不安定で元に戻りやすい状態でもあります。

そのため、常に保定装置の装着が必要ですが、具体的に1日何時間程度装着するのか気になるでしょう。そこでここからは保定装置(リテーナー)を1日に何時間程度装着するべきなのかについて解説します。

保定装置(リテーナー)を装着する1日の時間

基本的に1日20時間以上の装着が必要です。特に歯を動かして半年程度は最も歯が動きやすいので、食事や歯磨きのタイミング以外は常に装着しておかなくてはなりません。

しかし、慣れてきたり、歯の状態が安定してきたりすると徐々に装着時間を減らしていき、最終的には就寝時以外装着しなくても問題なくなります。具体的な装着時間の指示は歯科医師によって状態を見ながら判断されるので、歯科医院に定期的に通院することを徹底しましょう。

小児矯正で保定装置(リテーナー)を1日サボるとどうなる?

小児矯正で保定装置を1日サボると個人差がありますが、歯に装置がハマらなくなることがあります。特に保定装置を使い始めた直後は、たった1日で装置に歯が入らなくなることも多いです。

保定装置を使い始めたころはどうしても歯並びが不安定で矯正前の状態に戻ろうとする力が強く働いています。そのためたった1日保定装置の装着をサボると、次の日には歯が後戻りしてしまい、痛くて保定装置にはまらないというケースが多いです。

そして、歯にフィットしなくなった保定装置は使えなくなり、新たな保定装置を作ってもらうしかありません。そのため、1日保定装置の装着をサボると歯が後戻りするだけでなく、保定装置の新調の手間や費用がかかるリスクがあることを認識しておきましょう。

小児矯正で後戻りする原因


小児矯正で歯が後戻りしてしまう原因は主に以下の3つにまとめられます。原因をしっかりと抑えて、後戻りしないように注意しましょう。

保定装置(リテーナー)を使用していない

矯正治療で歯を動かした後に保定装置を装着していなかったために歯が後戻りしてしまうケースが多いです。どうしても動かした歯は元の位置に戻ろうとしてしまうので、動かした直後は、特に歯を固定して戻る力を抑える必要があります。

面倒ですが、この保定装置を装着しない期間があると歯が骨の中にしっかり固まらないので後戻りしてしまうでしょう。

舌癖や噛み癖などの悪習慣がある

舌を前に押し出す癖や噛み合わせの癖などの悪習慣の癖がある場合も後戻りしてしまいます。他にも歯軋りや食いしばり、頬杖を突いたり、うつ伏せで寝る癖がある場合も注意が必要です。

これらの癖を持っていると顎に負担がかかって顎の歪みから後戻りの原因となります。

定期検診を受診していない

定期的に歯科医院に足を運び、検診をしていない方も後戻りの可能性が一気に高くなります。長期間の治療になるため、虫歯や歯周病、矯正器具の破損などの予期しないようなトラブルが発生する可能性が高いです。

トラブルが発生すると歯の後戻り防止治療がなかなかできなくなります。そのため、定期的に歯科医院に行って、歯科医師に治療が滞りなく進んでいるかの確認してもらいましょう。

小児矯正で後戻りを防止する方法


具体的に小児矯正で後戻りを防止する方法を2つ解説します。後戻りする原因と、具体的な対策を合わせて理解しておきましょう。

保定装置(リテーナー)の装着期間や時間を守る

最も重要なのが、保定装置の装着時間の厳守です。どうしても矯正で動かした歯は元に戻ろうとするので、約2年間、力を加え続けなければ後戻りしてしまいます。

ただし、保定装置は歯を動かす装置ではなく、歯を固定するための装置で違和感や痛みが特にないので装着時間を維持しやすいでしょう。

悪習慣を改善する

頬杖を突いたり、歯軋りをしたりなどの悪習慣を改善すると小児矯正の後戻りを防げます。歯並びは顎の骨格や頬の筋肉、舌の筋肉などの要素によっても決まってくるので、少なからず悪習慣の影響を受けるでしょう。

特に子供のような顎や歯の骨が柔らかい段階は、悪習慣の影響を強く受けやすいので癖を直すように意識すると良いです。

小児矯正で後戻りした場合の対処方法

小児矯正で後戻りしてしまった場合は当然再度矯正治療をしなくてはなりません。再度矯正治療する場合もワイヤーやブラケット、マウスピースを使って歯を動かして、保定装置で歯を固めるという流れになります。

何度も治療していると体に予想以上の負担がかかったり、費用や時間が追加で必要になったりと何かと負担が大きいです。そのため、後戻りして再治療する前にしっかりと歯科医師に相談して診断や治療を早め早めに治療してもらうようにしましょう。

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まとめ

小児矯正で歯を動かした場合、どうしても約2年間の保定期間が必要になります。特に子供だと顎や歯の骨が柔らかかったりするので、矯正で歯を動かした後もしっかりと位置を固める保定期間が必要です。

今回紹介した歯が動いてしまう原因やその対処法、保定期間で1日治療をサボる恐ろしさなどをしっかりと理解してお子さんに還元してみましょう。

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はぴねす歯科院長

コラム監修者

はぴねす歯科緑地公園駅前クリニック 院長 松浦 裕矢

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