「小児矯正をやらなきゃよかった」
「小児矯正が気になるけど躊躇している」
子供の歯並びが気になり、小児矯正を始めたけど、やらなきゃよかったと後悔していませんか?
小児矯正は、治療を必要としていないお子さんが始めても、満足できる結果を得られないケースがあります。
今回は、やらなきゃよかったと後悔するケースや、小児矯正をやるべき理由などについて紹介します。
小児矯正を「やらなきゃよかった」と後悔するパターン
小児矯正を「やらなきゃよかった」と後悔するときは主に4つあります。
・矯正後の後戻り
・不必要な抜歯
・治療期間が長い
・拡大床の使用が不適切
1つずつ見ていきましょう。
矯正後の後戻り
矯正によって動かした歯が元の位置に戻ってしまう「後戻り」という現象が起こります。
後戻りの主な原因は、動かした歯を固定させる保定期間中のメンテナンス不足。
矯正治療では、保定装置を用いて後戻りしないように歯を固定させる保定期間が必要です。
保定期間中に、「もう歯が動いたから治療は必要ない」と自己判断でサボってしまうと、歯並びが元の位置に少しずつ戻ってしまいます。
特に成長期は、大人と比べて歯が動きやすく、後戻りをしやすい期間でもあります。
矯正によって歯を動かしたとしても、後戻りで元の位置に戻ってしまっては矯正治療が無駄になってしまうので、メンテナンスを怠らないようにしましょう。
不必要な抜歯
矯正治療に必要でないにも関わらず、抜歯をされてしまうケースもあります。
矯正にて抜歯をするケースは、歯を動かすスペースが確保されていない場合のみです。
抜歯が必要な症例もありますが、適切な理由もなく歯を抜かれてしまった人もいます。
抜歯が必要と言われた場合は、明確な理由を聞いたうえで、納得できる内容の場合のみにしましょう。
関連記事:小児矯正は抜歯なしでもできる?抜歯が必要なケースとは?
治療期間が長い
小児矯正を何年も継続しているにも関わらず、初期状態から何も変化していないケースもあります。
初期状態から変化していない場合は、治療が不適切であることが多いです。
小児矯正はある程度治療期間が長くなります。
しかし、治療を続けているにも関わらず、歯並びが改善されてない場合は注意が必要です。
治療期間が長くなると、子供への負担も大きくなってしまいます。
「ずっと同じ装置が入っている」「歯並びが改善されない」などの状態が続く場合は、セカンドオピニオン(別の歯科医院へ相談してみること)をおすすめします。
拡大床の使用が不適切
小児矯正では、「拡大床(かくだいじょう)」という装置を使って、歯列を頬側に拡大させていきます。
拡大床は、骨の幅の範囲内で歯を動かせる装置ですが、「拡大床で顎を広げましょう」という歯科医師の指示のもと、使用しているケースがあります。
しかし、拡大床の用途は、あくまでも歯を動かすためのものであり、顎を広げることはできません。
拡大床でよくあるトラブルとしては、
・歯が広がりすぎて噛めない
・何年経っても歯並びが改善されない
・歯が顎骨から飛び出している
・出っ歯になってしまう
などです。
骨の幅を広げる装置は、「急速拡大装置」という装置になるので、使用用途が間違っていないか確認しましょう。
小児矯正をしないとどうなるのか?
小児矯正をやらなきゃよかったと後悔するパターンもありますが、小児矯正をおこなうべきお子様もいます。
特に、小児矯正が必要な症例にも関わらず、矯正治療をおこなわないと外見によるコンプレックスを抱え、精神的負担になってしまうことが多いです。
小児矯正を始めるべき症例は以下の5つです。
・反対咬合
・交叉咬合
・萌出不全
・開咬(かいこう)
・上顎前突
また、歯並びが悪いと虫歯や歯周病などさまざまな口腔内トラブルが起こる可能性があります。
食べ物を適切に噛むことが困難となるため、消化不良になりやすく、子供の成長の妨げになってしまう恐れもあります。
関連
小児矯正は何がいい?やるべき理由
小児矯正をやるべき理由は主に5つあります。
・発声がスムーズになる
・歯を清潔に保てる
・コンプレックスを解消できる
・顎の歪みを軽減できる
・将来的に抜歯する必要がなくなる
・矯正期間を短縮できる
大人になってから矯正をすることもできますが、子供の頃から早期に治療を始めることで多くのメリットがあります。
最適なタイミングで治療を始めることで、得られる恩恵もあるので、小児矯正のメリットとデメリットをそれぞれ把握しておきましょう。
関連記事:小児矯正のメリットとデメリットについて
小児矯正は何歳まで?始めるべき年齢
小児矯正を始めるときに年齢制限はありませんが、永久歯が生え始める6歳頃から永久歯が生え揃う12歳頃までに始めることがおすすめです。
小児矯正には、永久歯が揃う前におこなう1期治療と、永久歯が揃った後におこなう2期治療があります。
子供の矯正時期は1期治療に該当し、
永久歯が生え揃うまでに治療をおこなうことで、「大人になってから永久歯の歯並びがキレイに整う」ように。
また、成長期のお子さんでないとできない治療もあります。
小児矯正が必要だと判断した場合は、早期に治療を開始することで、トータルの治療期間や治療費用を抑えられます。
関連記事:【小児矯正】子供の出っ歯を矯正する費用や期間を紹介
まとめ
小児矯正をやらなきゃよかったと後悔する場合は以下のとおりです。
・矯正後の後戻り
・不必要な抜歯
・治療期間が長い
・拡大床の使用が不適切
小児矯正は、治療を必要としていないお子さんが始めても、満足いく結果を得られないケースがあります。
「やらなきゃよかった」と後悔しないためにも、お子様の症例に対して、本当に矯正が必要かどうかを見極めることが大切です。
コラム監修者
はぴねす歯科緑地公園駅前クリニック 院長 松浦 裕矢
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