「子供の出っ歯を何とかしてあげたい」と考えている親御さんは多いのではないでしょうか?子供のうちに何らかの原因で出っ歯になってしまった場合、どのような治療が子供のためになるか難しいですよね。

そんな方は他にも以下のように悩んでいませんか?

  • 「子供への負担が少なく、効果が出る矯正方法はなに?」
  • 「そもそも出っ歯になった理由ってなんだろう」
  • 「いつから治療をしたらいいんだろう」
  • 「このまま放っておいて治らないのかな」

子供が出っ歯になる理由として多いのは指しゃぶりやおしゃぶり、舌で歯を押すのような日常的な行動の積み重ねが非常に多いです。そして出っ歯になると自然に治らないので、早めに治療した方がいいです。

治療の目安は6歳頃になりますが、出っ歯のまま放置しておくと最悪の場合、歯を失う可能性もあります。そこで今回は以下のトピックについて解説します。

  • 子供の出っ歯(上顎前突)について
  • 子供が出っ歯(上顎前突)になる理由
  • 子供の出っ歯(上顎前突)を治す矯正方法と費用・期間
  • 子供の出っ歯を(上顎前突)の治療開始時期は6歳頃が目安
  • 出っ歯は自然に治らない|出っ歯を放置するリスク

この記事は子供の出っ歯について、出っ歯になる理由や治す矯正方法や必要な費用と期間、治療の開始時期と放置しておくことのリスクについて解説します。子供の出っ歯をなるべく負担なく解決してあげたいと考えている親御さんはぜひ参考にしてください。

子供の出っ歯(上顎前突)について


出っ歯とは歯科用語として「上顎前突」と呼ばれています。具体的な症状は、上の前歯が前に傾いていたり、下顎が後ろの位置にあったりすることで、上の前歯が出ている状態です。

しかし、子供の出っ歯は顔の成長発育上、上顎前突になる時期があるので治療しなくては治らない出っ歯かを判断するのは難しいという前提があります。そのため、お子さんの前歯が出ていると感じても、出っ歯だと決めつけずにまずは歯科医院に足を運び、歯科医師に無料診断で見てもらうといいでしょう。

子供が出っ歯(上顎前突)になる理由

子供が出っ歯になる理由は、主に以下の4つの要因が考えられます。以下に当てはまる項目がある場合、対策を取った方がいいでしょう。

おしゃぶりや指しゃぶり

子供が出っ歯になるケースとして多いのがおしゃぶりや指しゃぶりの癖がある場合です。

おしゃぶりや指しゃぶりといった行動は強い力が前歯にかかり、さらに歯の下に存在する骨に対して意図していない方向への圧力をかけ続ける行為でもあります。特に骨が柔らかい子供だからこそ、出っ歯になりやすい行動です。

口呼吸

口呼吸も出っ歯の要因として考えられます。口呼吸をしていると口周りの口輪筋という筋肉が延びた状態になりやすいです。

そして口輪筋がたるんでしまうと舌の位置が悪い状態になり、舌の役割である歯を支えられなくなります。その結果として出っ歯や歯並びが歪んだりといった結果を引き起こすでしょう。

また口呼吸を続けていると虫歯のリスクも高めてしまうので、生活している時や寝ている際時にまずは確認してみましょう。

舌癖

良くない舌癖があったりすると出っ歯になる可能性を高めてしまいます。具体的に良くない舌癖とは舌を噛んだり、舌で歯を押すような癖のことです。

そしてこういった癖をよく子供はおしゃぶりや指しゃぶりの代替好意としてやっています。舌で歯を押す癖は特に歯に圧力がかかってしまうので将来的に歯並びが乱れてしまうケースが多いです。

遺伝

実は遺伝によって出っ歯もなる可能性もあります。遺伝により上顎が大きく成長したり、下顎が小さくなったりすると相対的に歯が前に突出してしまい出っ歯になるということも稀に存在しています。

ただし、遺伝という要素よりも生活習慣や日々の癖による影響の方が出っ歯には深く関係しているので、遺伝という可能性もあると認識しておく程度で問題ありません。

子供の出っ歯(上顎前突)を治す矯正方法と費用・期間


子供の出っ歯を治す矯正方法と必要な費用と期間について解説します。子供の矯正は大人と違い、治療期間が複雑な上に、必要な費用も変わってくるので注意が必要です。

ステップ1:子供用マウスピース矯正

まずはマウスピース矯正をするために子供用のマウスピースを作製するところから始めます。子供用マウスピース矯正は子供が無意識のうちに舌の位置や頬・唇の筋肉のバランスを改善してお口周りの筋肉を正しく発揮するように促していく治療法です。

そして子供用マウスピース矯正の最大の特徴は学校では矯正器具を装着しなくてもよく、自宅にいるときと就寝時に装着するだけで問題がありません。ですので口の中を清潔に保ちやすく、虫歯にもなりにくいです。

関連記事:小児矯正でインビザラインは可能?期間や費用を紹介

子供用マウスピース矯正の費用と期間

子供用マウスピース矯正の費用は20万円から70万円が相場です。また治療期間は1年から3年程度になります。

子供は年齢や成長過程によって矯正のしやすさが変わるので、1年から3年と治療期間に幅が出やすいです。また費用に関しては保険適応外で自由治療が可能なため、料金が歯科医院によって異なります。

毎回の検診料や矯正器具など、3年間含めた金額が平均で70万円ほどかかるので、認識しておきましょう。

ステップ2:第1期治療

1期治療とは子供の成長期における早期治療のことで、年齢としては乳歯が生え変わる7歳頃から永久歯に生え変わる12歳ごろまでの期間を指しています。

そして1期治療の目的としては成長期の顎の骨が柔らかいうちに顎の成長を促して、永久歯が正しい場所に生えやすくするための治療です。もし永久歯になっても歯並びを綺麗にする治療が必要になった場合に1期治療で顎の成長を促していると治療期間が非常に短縮されます。

1期治療の費用と期間

1期治療の費用相場は20万から40万円ほどです。期間としては永久歯に生え変わるまでの期間で、1年〜3年程度かかるケースが多いです。

ただし、費用に関してはマウスピースを何度交換するかによって費用が変わってくるため、いかに歯が早く並ぶかによって費用面は変動します。また治療期間も永久歯が綺麗に生え変われば3年程度で終わりますが、永久歯になっても歯並びが悪い場合は2期治療に移行することが多いです。

ステップ3:第2期治療

2期治療は永久歯に生え変わった歯並びをしっかりと整えるための治療で、大人の矯正と同様にワイヤーを使ったブラケット矯正かマウスピース矯正をするケースが多いです。1期治療と違い、骨格がある程度成長しているため骨格からの改善が難しいので、場合によっては歯並びを整えるために抜歯をする可能性もあります。

しかし、顎の骨格が成長したとはいえ、子供なので簡単に歯を動かせるので抜歯をする必要も滅多になく、さらに大人になってからするよりも早く治療が終わるのでおすすめです。

2期治療の費用と期間

2期治療の費用は全部で25万から60万です。治療期間としては1年から2年程度で完了します。

1期治療から歯を矯正している場合は顎の成長がしっかりと促されて永久歯が生えやすい骨格になっているので2期治療は1年程度で終わるでしょう。

ただ費用に関してはブラケットとワイヤーを使用した矯正方法になるため、矯正器具や日々のケアが大変になるため、費用が高くなってしまいます。

関連記事:小児矯正の期間は?開始時期と第一期・第二期の治療期間について

関連記事:小児矯正は保険適用される?保険以外で費用を抑える方法も解説

子供の出っ歯(上顎前突)の治療開始時期は6歳頃が目安


子供の出っ歯を治療するには6歳ごろから開始するのが目安になります。なぜなら出っ歯の原因として多い下顎の骨は身長とともに6歳以降にどんどん成長していく骨なので、その時期から治療を開始した方が効果が高いからです。

まだ顎が発達していない6歳未満の場合は急いで治療することもないですし、成長とともに歯並びが整うケースもあるので様子を見るようにするといいです。ただし、実際に歯科医師に診てもらわないとわからないこともあるので、一度足を運んでみてもいいでしょう。

出っ歯は自然に治らない|出っ歯を放置するリスク

出っ歯は自然には治らないもので、放置しておくとさまざまなリスクを抱えてしまうものでもあります。そこでここからは出っ歯を放置するリスクについて解説していきます。

顎関節症になりやすい

出っ歯を放っておくと顎関節症になるリスクが高まります。出っ歯によって噛み合わせが合わない状態のまま、咀嚼といった歯に負担がかかることをするため、さらに噛み合わせが合わなくなるケースが非常に多いです。

そのため歯だけではなく顎にも負担がかかるので顎関節症になって口が開きにくくなったり、痛みが走ったりする可能性が高いことを認識しておきましょう。

前歯を失う可能性が高い

出っ歯を放置しておくと最悪の場合、前歯を失う可能性があります。なぜなら出っ歯は、外傷を最も受けやすいポイントだからです。

たとえば、転倒や事故に巻き込まれたときに、前歯が突出していると、歯に事故の衝撃が集中してしまいます。そのため、歯が折れたり、欠けたり、その後の治療により歯を抜く必要が出てきたりします。

特に子供は、転倒することも多いため、前歯を失うことがあると認識しておきましょう。

虫歯や歯周病になるリスクが高い

虫歯や歯周病になるリスクも高いと理解しておきましょう。前歯が突出していると少し口が閉じにくくなることから無意識的に口が開きやすい状態になります。

そのため、口が乾燥して菌が繁殖しやすく、結果的に虫歯や歯周病のリスクが高くなります。

風邪やインフルエンザになりやすい

出っ歯だと風邪やインフルエンザにもなりやすいです。出っ歯により口が常に開いた状態や常に口呼吸をしていたりすると、乾燥して菌が繁殖するだけでなく、菌を吸い込みやすく風邪やインフルエンザのリスクを高めます。

意識すると口を閉じることはできますが、出っ歯が悪化すると閉じられなくなることがあります。風邪やインフルエンザになりやすいリスクも認識しておきましょう。

まとめ

子供の出っ歯を放っておくと虫歯や顎関節症になったり、最悪の場合だと歯を失うこともあるでしょう。そのため、6歳頃までは待った方がいいですが、出っ歯はすぐに治療した方がよいです。

具体的には、今回紹介したマウスピース矯正から1期治療、2期治療といった流れになります。そして、出っ歯の原因である指しゃぶりやおしゃぶり、口呼吸を日常的にお子さんがしているかをまずは確認してみてから歯科医院に行くと良いでしょう。

はぴねす歯科院長

コラム監修者

はぴねす歯科緑地公園駅前クリニック 院長 松浦 裕矢

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