「子供の歯並びについて気になっている」と悩んでいる親御さんは多いのではないでしょうか?

子供向けの歯列矯正に関してなかなか情報を集められなかったり、歯科医院に足を運ぶにはハードルが高いと感じている方も多いでしょう。

そんな方は以下のような疑問を抱いていませんか?

  • 「小児矯正でもインビザラインはできるの?」
  • 「インビザラインファーストってどんな治療法?小児矯正に対応しているの?」
  • 「インビザラインファーストのメリットやデメリットを知りたい」

インビザラインファーストとは乳歯と永久歯が混在している時期のお子さんのために生まれた小児矯正治療です。

一般的な小児矯正と比べて、費用面の負担が大きいものの、治療期間が一年半程度で完了するという特徴があります。

しかし、インビザラインファーストには治療を受けるための条件が3つ存在しており、当てはまっていない場合だと治療が受けられません。

そこで今回は以下のトピックについて解説します。

  • 小児矯正はインビザラインファーストで対応可能
  • インビザラインファーストのメリット
  • インビザラインファーストのデメリット
  • インビザラインファーストの開始時期と期間
  • インビザラインファーストの費用
  • インビザラインファーストの適用条件

この記事はインビザラインファーストのメリットやデメリット、治療の注意点から一般的な治療の開始時期や費用についても詳しく解説します。

子供の歯並びのためにも歯科医院に相談しに行く前にできるだけ多くの情報を詳しく知っておきたいという人はぜひ参考にしてください。

小児矯正はインビザラインファーストで対応可能


小児矯正はインビザラインファーストという治療法で対応可能です。インビザライン治療は大人にのみ適用可能な治療法と思われがちですが、子供向けのインビザライン治療法もあります。

インビザラインファーストとは

インビザラインファーストとは子供向けのインビザライン矯正として開発された治療法で、大人のインビザライン矯正と同じように透明のマウスピースを使用します。

大人のインビザライン矯正と小児矯正の違いは、小児矯正の場合歯並びを整えるだけでなく、顎の成長も促さなければなりません。そのため、従来の治療法では顎の成長をコントロールする装置と歯並びを整える装置の2つの使用が必要でした。

しかし、インビザラインファーストは一つの装置で顎の成長と歯並びを同時に整えることができます。

インビザラインファーストのメリット


インビザラインファーストのメリットは主に以下の5つです。治療を達成するためにお子さんにとってメリットがあるのかをしっかり判断しましょう。

透明で目立たない

インビザラインファーストは透明で目立ちにくいのが特徴です。他の矯正方法だとワイヤーが見えてしまうことで、笑いにくくなったり、お子さんにとってコンプレックスになってしまうことも少なくありません。

一方で、インビザラインファーストであれば透明で非常に目立ちにくいです。

自由に取り外せる

インビザラインファーストは矯正器具がマウスピースなので自由に取り外すことが可能です。取り外しができるため、学校の給食や家での食事の際にストレスなくおいしく味わうことができます。

また歯磨きをする際にも取り外しができるので、磨き残しが少なくなるのもメリットです。

虫歯のリスクを軽減できる

インビザラインファーストであれば虫歯のリスクを抑えられます。インビザラインファーストが取り外せることが大きく関与しており、歯磨きがしやすく磨き残しが少なくなるからです。

またマウスピースはワイヤー矯正と比較してワイヤーやブラケットに汚れが残りにくいことも、虫歯のリスクが軽減できます。

通院回数が少ない

インビザラインファーストであれば、通院回数が少なくても問題がありません。なぜならインビザラインファーストは最初に治療完成までのマウスピースを作製するからです。

そのため、通常の歯列矯正なら1か月に1回の通院が必要ですが、インビザラインファーストであれば2か月に1回の通院ですみます。親御さんにとって大きなメリットになるでしょう。

スポーツのときも安心して装着できる

インビザラインファーストだとスポーツの際でも安心して装着しやすい特徴があります。他の矯正方法と比べて、インビザラインファーストは細かくデータをとってマウスピースを作成するため、痛みや違和感が少ないです。

そのため、スポーツ中に矯正器具の位置がずれて痛みや違和感が出てくるといったことは滅多に発生しません。体を活発に動かしたい時期であるお子さんには最も適した方法と言えるでしょう。

インビザラインファーストのデメリット


一方で、インビザラインファーストのデメリットは主に2つあります。

適応できないケースがある

インビザラインファーストには適用できないケースが存在しています。具体的には第一大臼歯と前歯が2/3以上出ていなければならず、対象年齢としては乳歯と永久歯が混在する6〜12歳程度となるでしょう。

ただし、こういった歯の生え代わりの状態が治療条件となる場合、個人差があるため、実際に歯科医院に足を運び、診察してもらう方が良いです。

装着時間の厳守が必要

インビザラインファーストをおこなう際には装着時間を厳守しなければ成果が得にくいです。インビザラインファーストにかかわらず、歯列矯正は矯正器具の装着時間の厳守が非常に重要になります。

インビザラインファーストは取り外しが簡単ですが、親御さんもできるだけ協力して、一日22時間程度の装着時間を心がけましょう。

インビザラインファーストの開始時期と期間


インビザラインファーストの開始時期は一般的に乳歯と永久歯が混在する6歳〜12歳程度からです。そもそもインビザラインファーストは乳歯と永久歯が混在する時期の子供のためにあるマウスピースの矯正治療方法です。

インビザラインファーストを開始する時期として一般的に多いのが9歳〜10歳の小学3〜4年生程度なので、一つの指標として参考にするといいでしょう。そして、インビザラインファーストの治療期間は1年半程度で完了します。

一般的な小児矯正の場合だと1年〜3年程度の期間がかかってしまうので、治療期間のメリットが大きいと認識しておきましょう。

インビザラインファーストの費用

インビザラインファーストは何歳から治療を開始しても、矯正完了までの治療費用が変わりません。インビザラインファーストの治療費は一般的に60万〜70万程度必要になります。

従来の1期治療の費用が30万〜50万円程度ですので、インビザラインファーストは費用が高い傾向があります。

しかし、1期治療の治療期間が1〜3年程度になりますが、インビザラインファーストは治療期間が1年半程度で完了します。お子さんの負担をお金で補助できる余裕があるご家庭は費用が高くてもインビザラインファーストを検討しましょう。

関連記事:小児矯正にかかる平均費用はいくら?相場を種類ごとに解説

インビザラインファーストの適応条件


インビザラインファーストの適用条件は主に以下の3つです。歯科医師の診察が必要な条件が多いですが、親御さんは少しでも理解するように心がけるとよいでしょう。

第一大臼歯が萌出している

インビザラインファーストを適用させるには第一大臼歯が萌出している必要があります。第一臼歯とは一般的に永久歯のなかで、最も歯が大きく、噛む力も強いので、すべての噛み合わせを合わせるための基準となる歯です。

そのため、最低でも第一大臼歯が萌出してなければインビザラインファーストの治療対象となりません。

切歯のうち少なくとも2本が2/3以上萌出している

インビザラインファーストをおこなうには切歯のうち、少なくとも2本が2/3以上萌出していなければなりません。切歯とは歯列の中央にある前歯のことです。

前歯は歯列矯正をおこなう際にポイントになる歯ですので、少なくとも2本程度萌出していなければ治療が難しくなります。この条件は他の2つの条件と比べて確認しやすいので、親御さんがまずは見てあげると良いでしょう。

少なくとも3/4顎に乳歯(C、D、E)または未萌出の永久歯(3、4、5)が2歯以上ある

インビザラインファーストのためには少なくとも顎の3/4程度に乳歯か、未萌出の永久歯が2本以上ある必要があります。この条件は歯科医師に確認してもらわなければ治療の判断が難しいので、まずは歯科医院にいきましょう。

まとめ

インビザラインファーストは乳歯と永久歯が混在するお子さんに向けて開発された小児矯正の治療法です。

一般的な小児矯正であれば30万〜50万程度で1年〜3年程度の治療コストがかかりますが、インビザラインファーストは70万前後の費用で1年半程度の期間ですみます。

他の治療法と比較してマウスピースを利用するため、虫歯になりにくかったり、心身共にストレスがかかりにくかったりするというメリットが特徴です。

しかし、紹介したような注意点もあるので、今回紹介したデメリットや注意点を抑えて一度歯科医師に診てもらいに行きましょう。実際に歯科医師に診てもらうことでネットの情報だけでは抑えきれなかったことが分かることもあるので、おすすめです。

はぴねす歯科院長

コラム監修者

はぴねす歯科緑地公園駅前クリニック 院長 松浦 裕矢

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