「小児矯正にかかる費用」について気になっている親御さんは多いのではないでしょうか?

お子さんがすくすく育ってきて嬉しい反面、歯並びの発達が気になっている親御さんも少なくないでしょう。

早めに対処したいと思う反面、小児矯正の費用を把握するのに困っているのではないでしょうか?

他にも以下のような点について疑問を持っていませんか?

  • 「小児矯正の費用の具体的な内訳について知りたい」
  • 「費用を安くする方法はないの?」
  • 「そもそも保険適用とかされないの?」

小児矯正にかかる費用は基本的に保険適用外です。

そして、具体的な費用の内訳は治療前の検診と矯正装置の費用代、治療後の歯の位置を固定するための装置などの3つに分けられます。

費用は基本的に100万円前後は必要になりますが、実はデンタルローンや医療費控除を使えば安くすることも可能です。

そこで今回は以下のトピックについて解説します。

  • 小児矯正治療前にかかる費用相場
  • 小児矯正治療中にかかる費用相場
  • 小児矯正治療後にかかる費用相場
  • 小児矯正にかかる費用は保険適用になる?
  • 小児矯正にかかる費用を安く抑える方法
  • 小児矯正の費用の支払い方法

この記事は小児矯正の治療前、治療中、治療後にかかる費用相場や費用を安く抑える方法について解説します。

お子さんの歯並びを対処したい、小児矯正の正しい知識をインプットして後悔ない判断をしたいという人はぜひ参考にしてください

小児矯正治療前にかかる費用相場

小児矯正前にかかる費用相場について解説します。

大きく費用がかかるポイントは以下の2つなので、それぞれの工程ごとの費用感を抑えましょう。

初期相談、カウンセリング

初期相談とカウンセリングに費用がかかる場合が少なくありません。

費用相場として、無料〜5000円程度かかることがあります。

初めて相談しに行く際に、5000円程度の費用を支払うのはハードルが高いかと思うので、無料で相談できる歯科医院に足を運ぶのがおすすめです。

精密検査、診断

精密検査や診断をする際にも費用がかさむ場合があります。

精密検査や診断も、無料〜5000円前後の費用がかかります。

初めて検査してもらう際は無料の歯科医院がおすすめですが、治療を本気で検討していてしっかりとした検査をしたい場合は費用がかかる歯科医院に足を運ぶのもおすすめです。

小児矯正治療中にかかる費用相場

小児矯正治療中にかかる費用は、1期治療と2期治療のケースで分かれます。

そこで、それぞれの治療工程にかかる費用相場を詳細に解説するので、治療の流れとともに費用感をしっかり確認しておきましょう。

1期治療の費用相場

1期治療の費用相場は主に以下の8つの治療によって異なります。

治療の流れも含めて費用相場もしっかりと認識しておきましょう。

プレート(拡大床)

拡大床の費用相場として20万〜30万円程度です。

そもそも拡大床とはプラスチックのプレートとワイヤーでできた取り外し可能な矯正装置のことです。
主に上顎の拡大を目的とした治療で使用するのが一般的です。

子供の成長期のタイミングで上顎が狭いと判断された場合にのみ用いられます。

急速拡大装置

急速拡大装置の費用相場として3万〜5万円程度です。

急速拡大装置とは上顎に固定して、装置についているねじを広げて上顎の骨を広げる装置です。

主に土台となる顎の骨を広げて永久歯が並ぶスペースを確保するために使用します。

フェイシャルマスク

フェイシャルマスクの場合40万円程度です。

フェイシャルマスクとは額と顎をワイヤーでつないで使用する装置で、上顎の成長が芳しくない際に使用するのも特徴と言えます。

マイオブレース

マイオブレースの費用相場は20万〜40万円程度です。

マイオブレースとは舌の位置をだ出したり、鼻で呼吸ができるようにするために歯と顎を矯正する装置です。

小さな力で歯列を矯正でき、抜歯やブラケット治療の必要がほとんどなくなるのが最大の特徴です。

ペンデュラム

ペンデュラムの費用相場は3.5万~5万円程度です。

ペンデュラムとは上顎の奥歯を後方に移動させるための装置で、主に過密な歯列を改善するために使用する矯正方法になります。

この方法はまだ顎が成長しきっていない成長期の子供に非常に適した方法ということを認識しておきましょう。

リンガルアーチ

リンガルアーチの費用相場は主に3万〜5万円程度です。

リンガルアーチとは主に下顎の歯を安定させる目的で使用し、実際には下顎の臼歯の裏側に固定して特定の歯の移動を促すのが特徴的です。

この治療は特に早い段階で乳歯が抜けてしまった成長期の子供に使用するのが特徴的で、後から生えてくる永久歯のスペースを確保するのが目的でもあります。

ムーシールド

ムーシールドの費用相場は3〜5万円程度です。

具体的にムーシールドとは受け口(反対咬合)を治すために使用する装置で、主に睡眠時に装着するマウスピースのことです。

睡眠時専用のマウスピースを装着することで舌や口腔周囲筋の状態を整える効果があります。

バイオネーター

バイオネーターの費用相場は3万円程度です。

バイオネーターとは筋肉の動きを利用して下顎の骨の成長を前方へと促す装置で主に上顎前突や下顎前突などに特化した治療方法です。

特徴としてはヨーロッパでよく利用されており、取り外しも可能なので使い勝手がいいです。

2期治療の費用相場

2期治療の費用相場は、ワイヤー矯正はマウスピース矯正かによって変わってきます。

そこで、それぞれの治療の費用相場について解説するので、どの方法を選択するかしっかり検討しましょう。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正の費用相場として50万〜150万円程度です。

ワイヤー矯正とは歯の表側か裏側にワイヤーを装着して、ワイヤーの力を使って歯を少しづつ動かしていく方法です。

治療範囲が広く、ほとんどの症例に対応できるのが特徴ですが、いくつかデメリットもあります。

表面矯正の場合、費用は50万~100万程度と抑えられるものの、目立ちやすく、見た目のコンプレックスを抱きやすいです。

一方で、裏側矯正だと費用は100~150万程度とかさみやすいですが、目立ちにくいのが特徴となります。

関連記事:ワイヤーで小児矯正をする場合の期間や費用を紹介

マウスピース矯正

マウスピース矯正の費用相場は50万〜80万円程度です。

マウスピース矯正とは取り外し可能な透明なマウスピースで歯を動かしていく治療方法です。

取り外し可能なため、どうしても目立ちたくない場面にはマウスピースを取り外せたり、透明で目立ちにくいのが最大のメリットと言えます。

ただし、取り外せるが故に一日20時間という治療時間の確保が難しく、治療の計画通りに進まないこともあります。

関連記事:小児矯正でインビザラインは可能?期間や費用を紹介

小児矯正治療後にかかる費用相場

小児矯正治療後にかかる費用相場は1期治療と2期治療の保定観察料と保定装置代の費用の合計です。

それぞれの治療の費用相場について解説するので、費用感を認識しておくようにしましょう。

1期治療後の保定観察料

1期治療後の保定観察料は一般的に5000円〜10000円程度です。

保定観察料は定期的な検診の費用も含まれており、検診費用も含めると10000〜15000円程度の費用が必要です。

2期治療後の保定観察料

2期治療後の保定観察料も同じように一般的に5000円〜10000円程度です。

そして、定期的な検診費用も含めると15000円前後必要です。

治療が長引けば長引くほど、観察期間が長引くのでさらに費用がかさむという認識を持っておきましょう。

1期2期治療の保定装置代

1期2期治療の保定装置代は一般的に60000円程度必要になるケースが多いです。

ただし、装置の種類や材質、保定装置の装着難易度も含めて歯科医院によって異なったり、個人の状態によっても保定装置代が変わってきます。

正確な保定装置代は歯科医師に実際に相談して、診断してもらう以外ないので、60000円前後かかると認識しておくといいでしょう。

小児矯正にかかる費用は保険適用になる?

小児矯正にかかる費用は基本的に保険適用になりません。

しかし、以下の3つの場合にのみ、保険が適用されて費用を抑えられる可能性があります。

  • 顎変形症による咬合異常の場合
  • 前歯や小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常の場合
  • 厚生労働省が規定する咬合異常に当てはまる場合

これらに当てはまらない場合、保険は適用されませんが、上記に当てはまる場合は何歳からでも保険適用が受けられます。

関連記事:小児矯正は保険適用される?保険以外で費用を抑える方法も解説

小児矯正にかかる費用を安く抑える方法

小児矯正にかかる費用を安く抑える方法は主に以下の3つが当てはまります。

それぞれの安く抑える方法を理解して、どの方法を利用するのかしっかり決めましょう。

医療費控除を利用する

費用を安く抑える方法として医療費控除を利用する方法が存在します。

医療費控除とは1年間に支払った医療費が10万円を超える場合に適用される控除で、確定申告の際に所得税の一部が控除される制度です。

ただし、自分で申請しなければ受けられない控除制度で、申請には医療費の支払いを証明するための領収書やレシートが必要になるので注意しましょう。

モニター募集している歯科医院を選ぶ

モニター募集している歯科医院を選ぶことも小児矯正の費用を抑える方法です。

歯科医師によってモニターとなる条件はさまざまですが、歯科医院が求めている条件と一致している場合は安く小児矯正治療を受けられます。

ただし、一般的に写真や口コミを求められる場合があるので、その点はしっかり事前に確認するようにしましょう。

デンタルローンを利用する

デンタルローンを利用するという方法も小児矯正治療を安く抑える方法の一つです。

デンタルローンとは歯科治療に特化したローンのことで、分割で支払う方法になります。

一括で費用の支払いが難しい際に利用するのが一般的ですが、利息が付くので総額で支払う金額が高くなるのが注意点です。

カードローンと比較して低金利で借り入れることが可能ですが、借り入れの審査もあるのでデンタルローンを利用する際はしっかり準備しましょう。

小児矯正の費用の支払方法

小児矯正の費用の支払い方法は主に以下の2つがあります。

決して安くない費用なので、支払方法の特徴を解説するので、どの方法で支払うかしっかり検討しましょう。

トータルフィー制

支払方法の一つとして、トータルフィー制というものが存在しています。

トータルフィー制とは治療開始(精密検査時点)から治療完了(保定期間終了)までの必要な料金を先に全額支払う方法です。

矯正全体でどれくらいの費用が掛かるのかがわかりやすく、装置代や通院時の追加費用がかからないのが特徴になります。

ただし、もし虫歯や歯周病になったり、歯がかけてしまったりなどのトラブルが起きた場合には追加の費用がかかることがあるので、その点はしっかりと認識しておきましょう。

処置別支払い制

小児矯正の支払い方法には処置別支払い制という方法も存在しています。

処置別支払い方法とはマウスピースを変えたりといった治療ごとに費用をその都度支払っていくという方法です。

毎回治療ごとに支払うので、治療が早く進んだ場合は費用を抑えられますが、治療が長引いた場合費用がかさみやすいのが特徴となります。

また、総額でどれくらいの費用になるのかも検討しにくいので、その点を考慮しながら支払方法を検討しましょう。

まとめ

小児矯正の費用は今回紹介したように第一期治療と第二期治療の合計になります。

治療方法によって費用が異なるため、治療方法ごとの費用を確認しておきましょう。

またどうしても費用面が難しい場合はデンタルローンやトータルフィー制などを検討すると良いです。

はぴねす歯科院長

コラム監修者

はぴねす歯科緑地公園駅前クリニック 院長 松浦 裕矢

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