「歯並びが悪いと必ず矯正しないといけないの？」と考えたことはありませんか？

歯並びが悪くて矯正をしたくても、

「どんな矯正治療をしたらいいのかわからない」

「悪い歯並びのままはダメなの？」

と、思う方もいると思います。

歯並びが悪いと、噛み合わせにも影響が出てしまい、見た目だけでなく日常生活や全身のバランスに悪影響を及ぼします。

そこで今回は、以下の内容について解説します。

歯並びが悪い場合の矯正治療の種類 歯並びが悪いのに矯正しないとどうなる？ 矯正治療が必要な悪い噛み合わせの例

この記事を読むことで、矯正治療の種類やメリットなどを理解し、自分に合った矯正方法を見つけ、治療を決断できるでしょう。

「歯並びが悪くて矯正しようと検討している人」は、ぜひ参考にしてください。

歯並びが悪い場合の矯正治療の種類

歯並びが悪い場合の矯正治療の種類は、以下の3つあります。

• ワイヤー・ブラケット矯正
• マウスピース矯正
• セラミック矯正

それぞれの矯正治療の特徴を解説し、治療期間と費用を表でまとめています。

ぜひご覧ください。

ワイヤー・ブラケット矯正

ワイヤー・ブラケット矯正は、ブラケットを歯に接着し、ワイヤーを通した矯正装置を利用して歯を動かしながら整える治療法です。

以下に、ワイヤー・ブラケット矯正の特徴を表にまとめています。

メリット	・幅広い症例に対応でき、治療実績が多い ・歯がねじれて重なっている場合でも効果がある
デメリット	・装置が目立ちやすく、食事中に不便を感じることがある ・汚れが溜まりやすい
治療期間	約2～3年

食べ物のカスが溜まりやすく、不快感があるため、セルフケアや定期的な歯科医師によるメンテナンスが必要になります。

しかし、最も歴史ある矯正方法であるため、対応症例が幅広く、治療実績が多くあり効果的な治療法です。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の矯正装置を利用して、決められた期間ごとにマウスピースを交換しながら、歯を動かし整える治療法です。

以下に、マウスピース矯正の特徴を表にまとめています。

メリット	・透明で目立たない ・取り外しが自由 ・清潔を保ちやすい ・痛みが少ない
デメリット	効果は自己管理次第であり、頻繁な型取りが必要な場合もある
治療期間	約1～3年

ワイヤー・ブラケット矯正に比べて、治療期間が短く済みます。

また、痛みが少なく、清潔に保ちやすいため、ワイヤー・ブラケットの痛みや不快感が苦手な人におすすめです。

しかし、自己管理次第で治療期間が左右されるため、正しいマウスピースの使用法を守る必要があります。

セラミック矯正

セラミック矯正は、歯を削ってセラミックの被せ物（セラミッククラウン）を被せ、歯並びを整える治療法です。

以下に、セラミック矯正の特徴を表にまとめています。

メリット	・治療期間が短く、歯の色が選べる ・治療中の痛みがほとんどない
デメリット	・歯を削るため寿命が縮まる可能性がある ・経年劣化で変色することもある
治療期間	約1～3ヶ月

セラミック矯正は「矯正」となっていますが、歯を動かしません。

また、見た目を整えるだけの治療であるため、噛み合わせは改善できません。

歯を削るのに抵抗がある場合や、噛み合わせも一緒に治したい場合があれば、他の治療を検討した方がいいでしょう。

それぞれの治療期間と費用

歯並びが悪くなった場合の矯正治療法の期間と費用を、以下の表にまとめました。

矯正の種類	治療期間	費用（円）
ワイヤー・ブラケット矯正（表側・裏側）	約2～3年	約60～170万
マウスピース矯正	約1～3年	約60～100万
セラミック矯正	約1～3ヶ月	約8～18万（1本あたり）

圧倒的にワイヤー・ブラケット矯正が他の治療法と比べて、治療期間が長く、費用が高いことがわかります。

しかし、このなかで大きく歯を動かせ、噛み合わせと歯並びを改善できる治療法です。

歯並びは、今後の人生で見た目や健康に関わってくるため、治療期間や費用を十分に検討して治療法を選択してください。

歯並びが悪いのに矯正しないとどうなる？

歯並びが悪いのに矯正しないと、次の3つの問題が現れます。

• 見た目の問題
• 噛み合わせの悪化による健康への影響
• 虫歯や歯周病のリスク増加

それぞれ詳しく解説していきます。

見た目の問題

悪い歯並びを矯正せずにいると、見た目に問題が現れるでしょう。

歯並びの悪さは、正面だけでなく横顔から見られる印象にも影響します。

たとえば、しゃくれや出っ歯などの場合、人と会話することや笑顔を見せることができず、自信を失ってしまう可能性があります。

歯並びが悪いとプライベートや仕事などのコミュニケーションに問題が生じ、心のストレスを抱える原因になるでしょう。

噛み合わせの悪化による健康への影響

悪い歯並びを矯正せずにいると、噛み合わせの悪化によって健康に影響が及ぶでしょう。

噛み合わせが悪いと、歯茎や顎の関節に負担がかかり、筋肉のバランスや姿勢に歪みが生じます。

また、咀嚼が十分にできないため、消化機能に大きな負担をかけてしまいます。

放置すると、頭痛や肩などの全身に影響が出て、健康不良になる恐れがあるでしょう。

虫歯や歯周病のリスク増加

悪い歯並びを矯正せずにいると、虫歯や歯周病のリスクが増加します。

なぜなら、汚れや歯垢が蓄積しやすくなったり、口呼吸によってドライマウスになったりするのが原因です。

ドライマウスになると、口腔内の唾液の分泌量が減少し、自浄作用が弱まります。

そのため、歯並びが悪いと虫歯や歯周病のリスクがさらに高まります。

矯正治療が必要な悪い噛み合わせの例

矯正治療が必要な悪い噛み合わせは、以下の5つです。

• 出っ歯（上顎前突）
• 受け口（反対咬合）
• 八重歯・乱ぐい歯（叢生）
• 開咬
• すきっ歯

それぞれ詳しく解説します。

出っ歯（上顎前突）

出っ歯（上顎前突）は、矯正治療が必要です。

出っ歯とは、上の顎が下の顎より大きく前方に突出している状態をいいます。

また、上の歯が前方に出ていたり、下の顎が成長不足だったりする場合にも見られます。

出っ歯は、口呼吸になりやすくドライマウスになりがちなため、虫歯や歯周病になるリスクが高いです。

また、口臭の原因になるため、矯正治療が大切です。

受け口（反対咬合）

受け口（反対咬合）は、矯正治療が必要です。

受け口は、しゃくれとも言われており、下の前歯が上の前歯より大きく前方に突出している状態をいいます。

下の顎が成長しすぎたり、上の顎が成長不足だったりする場合に見られます。

受け口は、前歯で噛み切れず、奥歯で噛み砕きにくいため消化機能に影響が出やすいです。

また、発音や滑舌に問題が生じるため、矯正治療が大切です。

八重歯・乱ぐい歯（叢生）

八重歯・乱ぐい歯（叢生）は、矯正治療が必要です。

八重歯・乱ぐい歯は、歯と歯が重なり合って生えていたり、歯列が凹凸にずれたりしている状態をいいます。

原因としては、顎が小さかったり歯が大きかったりと、顎骨と歯の大きさのバランスが取れていないことが挙げられます。

八重歯・乱ぐい歯は、歯間に食べ物のカスが溜まりやすいため、歯磨きが隅々まで届きにくいです。

したがって、虫歯や歯周病になるリスクが高くなるため、矯正治療が重要です。

開咬

開咬は矯正治療が必要です。

オープンバイトとも言われている開咬は、奥歯を噛み合わせても上下の前歯が開いている状態をいいます。

主な原因としては、幼少期による指しゃぶりや舌癖などが挙げられます。

開咬は口呼吸になりやすいため、口腔内の乾燥により菌が繁殖しやすく、虫歯や歯周病になりやすいです。

また、発音や滑舌に影響を与えるため、矯正治療が重要です。

すきっ歯

すきっ歯は矯正治療が必要です。

すきっ歯は別名、正中離開（せいちゅうりかい）や空隙歯列（くうげきしれつ）と言われており、歯と歯の間に隙間が生じている状態をいいます。

主な原因は、顎骨の大きさに対して、歯が小さかったり歯の本数が少なかったりする場合が挙げられます。

すきっ歯は、食べ物のカスが挟まりやすく、虫歯や歯周病になりやすいです。

また、空気が漏れて発音に影響を与えるため、矯正治療が重要です。

関連記事：大人になって歯並びが悪くなる原因と改善方法

まとめ

今回は、歯並びが悪い人に適した矯正治療の種類と、費用や期間を解説してきました。

現在、歯並びが悪くてとくに症状を感じていない場合でも、矯正をしないと口腔内の問題や健康への影響につながります。

そのため、紹介した悪い歯並びを治す矯正治療の特徴を十分に理解し、自分に合った矯正方法を見つけましょう。

自分に合った矯正治療がわからない場合は、歯科医院で相談することをおすすめします。