「歯並びが悪いとどのような痛みを引き起こすの?」
自分の歯並びを気にしている方の中には、悪い歯並びを放置することでどのような痛みがあるのか気になっているでしょう。
歯並びの悪さは、見た目の問題が重要視されることが多いです。
しかし、見た目だけではなくさまざまな要因から痛みを引き起こす可能性があります。
そこで今回は、以下の内容について解説します。
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痛みを放置することのリスクについても詳しく説明しますので、ぜひ参考にしてください。
歯並びが悪いと痛みが出る主な原因
歯並びが悪いと痛みが出る主な原因は以下の8つです。
- 噛み合わせのズレ
- 歯の傾きや重なりによる負担
- 歯茎への圧迫
- 親知らずの生え方
- 顎関節への負担
- 歯ぎしりや食いしばり
- 虫歯
- 口内炎
順番に説明します。
噛み合わせのズレ
歯並びが悪く噛み合わせがズレていると、特定の歯に過度な力がかかります。
長年特定の歯に過度な力がかかり、歯がすり減ったり、歯が折れたりすると痛みを感じる場合があるでしょう。
具体的には、歯のすり減りが原因で、歯の表面にあるエナメル質がなくなると、しみる症状が出る可能性があります。
また、歯が折れて神経が露出すると、強い痛みを感じる場合があるでしょう。
歯の傾きや重なりによる負担
歯が傾いていたり、重なっていたりすると、歯磨きがしにくくプラークが残りやすいです。
プラークのなかには、1㎎あたり1〜2億の細菌がいるといわれています。
細菌が出す毒素によって、歯茎が炎症を起こし腫れや痛みを引き起こします。
磨き残しを少なくするためには、歯ブラシだけでなくフロスや歯間ブラシを併用する必要があるでしょう。
歯茎への圧迫
歯並びが悪いと、歯同士が不自然に接触し、歯茎に不均一な圧力がかかります。
その結果、歯茎の圧迫感や、痛みを感じる場合があります。
この圧力が長時間かかると、歯茎が炎症を起こしさらなる痛みにつながるでしょう。
歯茎の違和感や、圧迫感を感じた場合には、早めに歯科医院で相談すると良いでしょう。
親知らずの生え方
親知らずとは、永久歯の1番奥に生えてくる、第三大臼歯とよばれるものです。
一般的に歯は垂直に生えてきますが、親知らずは斜めや横向きに生えてくることもあります。
斜めや横向きに生えた場合、周囲の歯に継続的な圧力がかかり、痛みを感じることがあります。
親知らずの生え方や位置は、歯科医院でレントゲンを撮ると確認できます。
顎関節への負担
歯並びが悪いと、噛み合わせのバランスが崩れ、特定の歯に大きな負担がかかります。
口周りの筋肉のバランスも悪くなり、顎の痛みを引き起こす場合があるでしょう。
また、口周りの筋肉は首や肩の筋肉とつながっています。
口周りの筋肉バランスが崩れることで、肩や首周りが血行不良になったり筋肉が硬直したりします。
肩こりや頭痛を感じるでしょう。
歯ぎしりや食いしばり
歯並びが悪いと、噛み合わせが不安定になり、歯ぎしりをしやすいです。
歯ぎしりが原因で、歯の周りの歯根膜が炎症を起こし、歯に痛みを生じる場合があります。
また、歯ぎしりによって顎にも過度な負担がかかり、顎の痛みにもつながるでしょう。
虫歯
歯並びが悪いと、細かいところまで歯ブラシが行き届かず、プラークが多く残ってしまいます。
プラークの中の細菌が酸を出し、歯を溶かすことで虫歯が進行します。
初期の虫歯は痛みがないため、自分で見つけることが難しいでしょう。
虫歯の痛みを感じる段階までいくと、象牙質や神経まで虫歯が進行していることが多いです。
神経まで達した虫歯は強い痛みを感じ、日常生活にも支障をきたすでしょう。
口内炎
出っ歯やガタガタの歯並びでは、頬っぺたや唇を噛みやすいです。
噛んでできた傷によって口内炎ができ、痛みを感じます。
通常、口内炎は1〜2週間で自然に消失しますが、食事がしにくかったり、しゃべりにくかったりする状況は、大きなストレスへとなるでしょう。
歯並びの痛みを放置するリスク
歯並びの痛みを放置するリスクは以下の6つです。
- 痛みが慢性かする
- 顎関節症を引き起こす
- 歯周病や虫歯が進行する
- 消化器官への影響
- 他の歯への影響
- 治療の遅れによる治療費の増加
順番に説明します。
痛みが慢性化する
初期の小さな痛みや違和感を放置すると、痛みが慢性化し、日常生活に支障をきたす可能性があります。
例えば、噛み合わせのズレによって歯がすり減り、冷たいものがしみる症状が出る場合です。
この症状を放置すると、空気を吸うだけでもしみる症状が出る場合もあります。
初期症状のうちに対処しておけば、日常生活に影響が出ることは少ないので、違和感があればすぐに歯科医院で診察を受けましょう。
顎関節症を引き起こす
歯並びが悪いと、噛み合わせのバランスが悪くなり、顎関節に過剰な負担がかかります。
長期間、顎関節に負担がかかると、顎関節症を引き起こす可能性があります。
顎関節症の症状は、口が開けにくい、口を開けたときに音が鳴る、硬いものを噛むと痛い、顎関節の痛みなどさまざまです。
食事をすることが困難な程痛みを感じる場合もあるでしょう。
歯周病や虫歯が進行する
ガタガタした歯並びでは、歯ブラシが細かいところまで行き届かず、磨き残しが多くなってしまいます。
その結果、虫歯や歯周病の主な原因である細菌が増殖し、虫歯や歯周病を進行させます。
虫歯や歯周病では、初期のうちはほとんど痛みはありません。
そのため、歯科医院で定期的にチェックしてもらい、進行する前に処置をしてもらうことが望ましいでしょう。
消化器官への影響
歯並びが悪いと、しっかりと上下の歯が接触しないため、食べ物を細かく噛み砕くことができません。
食べ物を十分に噛まずに飲み込むと、胃腸に負担をかけ、消化不良を起こします。
また、栄養も十分に吸収することができないため、栄養不足になる可能性もあります。
歯並びが悪いまま長年過ごしていると、自分が噛めていないことに気づかず、知らないうちに消化器官に負担をかけ続けているかもしれません。
他の歯への影響
虫歯や顎関節症の痛みがある場合、痛みがある歯をかばいながら生活するでしょう。
その結果、他の歯に負担がかかり、痛みを引き起こしてしまう場合があります。
本来痛かった歯とは別に、新たな痛みが増えると、日常生活に悪影響をあたえるでしょう。
治療の遅れによる治療費の増加
虫歯を放置すると、神経を取って差し歯を入れなければならなくなり、歯を抜くことになった場合には入れ歯やインプラントを入れなければなりません。
また、顎関節症では一般的に痛み止めの服用で痛みをコントロールしますが、ごく稀な症例では外科手術を必要とする場合があります。
このように、治療が遅れてしまうと、初期の治療よりもさらに多くの処置をしなければならないため、時間と治療費が増加する可能性があります。
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・歯並びが悪いとどうなる?健康・見た目・生活への影響と改善方法
悪い歯並びの治し方
悪い歯並びを治すためには、以下の方法があります。
- 表側矯正(ワイヤー矯正)
- 裏側矯正(ワイヤー矯正)
- マウスピース矯正
それぞれにメリット・デメリットがあるため、歯科医師としっかり相談しましょう。
関連記事:歯並びが悪い人に適した矯正治療の種類|費用や期間を紹介
まとめ
歯並びの悪さが原因で、歯だけではなく肩や首、顎関節にまで痛みを感じる場合があります。
我慢できる痛みだからと放置していると、症状が悪化し、さらなる治療と治療費を必要とするかもしれません。
そのため、さまざまな痛みの要因になる歯並びの悪さは、早めに改善した方が良いでしょう。
治療法には、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などがありますが、精密検査を受け、歯科医師と相談しながら選択することをおすすめします。
歯並びの悪さに悩んでいる方は、ぜひ1度矯正歯科で相談してみましょう。
コラム監修者
はぴねす歯科緑地公園駅前クリニック 院長 松浦 裕矢
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