前歯の歯並びが悪いとき、どうしたらいいのか悩むことはありませんか?
前歯の歯並びが悪いと「話している相手の視線が気になる」「思いっきり笑顔が作れない」と思う方も多いと思います。
前歯の歯並びを改善すると、口元の見た目や滑舌に自信が持てるようになります。
そこで今回は以下の内容について解説します。
- 前歯の歯並びが悪いと感じる不正咬合
- 前歯の歯並びが悪いことによる影響
- 前歯の歯並びを改善する方法
- 部分矯正では治らない歯並び
この記事を読むことで、歯並びを改善でき、笑顔に自信を持てる良い第一印象をもてるようになります。
前歯の歯並びに自信がない方は、ぜひ参考にしてください。
前歯の歯並びが悪いと感じる不正咬合
前歯の歯並びが悪いと咬み合わせにも問題が生じます。
そこで前歯の歯並びが悪いと感じる不正咬合を4つ紹介します。
- 叢生
- 出っ歯
- 受け口
- 開咬
それぞれ詳しく見ていきましょう。
叢生
叢生(そうせい)とは、歯と歯が重なり合って、歯列から歯が飛び出しデコボコになっている状態をいいます。
叢生は、「乱ぐい歯」や「ガチャ歯」とも言われており「八重歯」も叢生のひとつです。
叢生になる原因は、顎のサイズに比べて歯が大きく、歯列に歯が収まるスペースが足りないからです。
歯と歯が重なり合っていることで、歯間や歯茎に汚れがたまり、虫歯や歯周病などを引き起こす可能性があります。
出っ歯
出っ歯は、別名「上顎前突」と言われており、横から見て上顎の前歯が、下顎の前歯より大きく前方に突出している状態をいいます。
また、口を閉じていても前歯の一部や、笑ったときに歯茎が見えたりしてしまうのが特徴です。
出っ歯になる原因は、親による骨格の遺伝や、幼少期にしていた指しゃぶりや舌癖などです。
また、出っ歯は口ゴボになる原因のひとつと言えます。
受け口
受け口は、別名「反対咬合」と言われており、下顎が前方、上顎が後方になっている状態をいいます。
受け口になる原因は、下顎の過度の成長や上顎の成長不足による成長バランスです。
通常、上顎が前方、下顎が後方にある咬み合わせを基本としています。
しかし、受け口は上下がうまく咬み合っていません。
そのため食べ物がうまく噛みきれず、咀嚼に問題が生じ、胃腸に大きな負担を引き起こします。
また、空気が漏れてうまく滑舌ができない発音障害になる可能性が高いです。
開咬
開咬は、別名「オープンバイト」と言われており、奥歯が咬み合っているのに、上下の前歯にすき間が開いている状態を言います。
開咬の原因は、親の遺伝による骨格の問題や、幼少期にしていた指しゃぶりや口呼吸などです。
開咬は、上下の前歯が咬み合っていないため、食べ物がうまく噛みきれず胃腸に負担がかかってしまいます。
また、口が常にポカンと開いている状態なため、発音障害や虫歯、歯周病のリスクが高くなります。
前歯の歯並びが悪いことによる影響
前歯の歯並びが悪いと、以下3つの影響が考えられます。
- 見た目や印象が悪くなる
- 虫歯のリスクが高くなる
- 歯茎が下がってしまう
さっそく詳しくみていきましょう。
見た目や印象が悪くなる
前歯の歯並びが悪いと、見た目や印象が悪く見られてしまいます。
見た目や印象が悪いとは、叢生や出っ歯のように前歯の歯並びがガタガタだったり、突出していたりすることです。
そのため、人前で話す場合は口を隠しがちになり、大きな口を開けて笑うことも少なくなります。
そうすると、人とのコミュニケーションが減り、周りからの印象にも影響が出てしまうでしょう。
虫歯のリスクが高くなる
前歯の歯並びが悪いと、虫歯のリスクが高くなります。
叢生のように歯が前後に重なり合っていると、食べ物のカスが歯間にはさまりやすく、歯ブラシでは磨ききれません。
次第に食べ物のカスは、歯垢へと変化し、歯垢をそのまま放置しておくと歯石へ変わります。
歯垢や歯石には、虫歯菌や歯周病菌などの細菌が存在しているため、虫歯のリスクが高くなります。
歯茎が下がってしまう
前歯の歯並びが悪いと、歯茎が下がってくる影響があります。
歯茎が下がってしまう場合は、歯列に歯が収まりきれない状態であり、顎が小さい方によく見られます。
歯が収まりきれていない場合、1本1本歯が長く見えてしまいがちです。
そのため、叢生のように顎の骨格で歯列に歯が収まり切れていない場合は、前歯の歯茎が下がってしまう傾向にあります。
前歯の歯並びを改善する方法
前歯の歯並びを改善するには、以下4つの方法が考えられます。
- 全体矯正
- 部分矯正
- セラミック治療
- ラミネートべニア
それぞれ詳しく解説していきます。
全体矯正
前歯の歯並びを改善する場合は、口腔内全体に装置を取り付ける全体矯正があります。
全体矯正の種類は、ワイヤー矯正(表側矯正・裏側矯正)とマウスピース矯正です。
前歯の表面にブラケットという金具をつけて、ブラケットに歯科医療用のワイヤーを通す矯正を表側矯正。
また、前歯の裏側につける矯正を裏側矯正といいます。
マウスピース矯正は、透明のマウスピース型の矯正装置で、歯列矯正をする方法です。
全体矯正は、奥歯から前方の歯を引き下げ、前歯の歯並びを改善します。
部分矯正
前歯の歯並びを改善する場合、気になるところだけを矯正する部分矯正があります。
部分矯正は、一般的に上顎の前歯6本、下顎の前歯6本の合計12本が治療の範囲になります。
全体矯正と比べると、装置を付ける本数が限られているため、歯にかかる負担が少ないです。
部分矯正では、軽度の叢生や出っ歯などに使用されます。
セラミック治療
前歯の歯並びを改善する場合、歯を削ってセラミックを被せるセラミック治療があります。
セラミック治療の種類は、以下の3つです。
オールセラミック | ジルコニアセラミック | メタルボンド | |
特徴 | 全てセラミックのみで作られている被せもの | セラミックより強度の高い人工ダイヤモンドで作られている被せもの | 内側が金属、外側にセラミックを貼り付けて作られている被せもの |
セラミック治療は、歯を多く削る必要がありますが、天然歯に近い色や質感、透明度を再現できます。
ラミネートべニア
前歯の歯並びを改善する場合、歯の表面を薄く削り、表面にセラミックを貼り付けるラミネートべニアがあります。
ラミネートべニアは、歯を削る量を最小限に抑えられるため、歯へのダメージがほとんどありません。
前歯のすき間が気になる方に使用される治療方法です。
関連記事:歯並びが悪いのは自分で治すことができる?自力で治せる?
部分矯正では治らない歯並び
前歯の歯並びは、部分矯正で治る場合と治らない場合があります。
そこで部分矯正では治らない歯並びを紹介します。
- 叢生(重度)
- 八重歯
- 出っ歯・受け口(中度以上)
- 開咬
さっそくみていきましょう。
叢生(重度)
歯と歯の重なりが大きかったり、大きく歯列からはみ出していたりする叢生は、部分矯正では治りません。
重度の叢生を治療する場合は、歯の位置や角度を大幅に調整するため、奥歯の後方から歯を引き下げて、移動する歯のスペースを作らなければいけません。
また、歯の表面を削ったり、歯を抜いたりする必要があります。
しかし部分矯正は、歯の移動が限られているため、十分に歯を並べるスペースを作るのは困難です。
そのため、重度の叢生は、部分矯正ではなく全体矯正がおこなわれることが多いです。
八重歯
大きくねじれている八重歯や前歯に3mm以上のスペースがある八重歯は、部分矯正では治りません。
八重歯は、叢生の種類の一つであり、前方の中央から数えて3番目に位置するひし形の歯が、歯列から唇側に大きくはみ出している状態を言います。
八重歯は、歯列内にきれいに収まるスペースを確保する必要があるため、歯を抜いて後方から歯を動かさなければいけません。
そのため、八重歯は部分矯正ではなく、全体矯正または外科手術が必要です。
出っ歯・受け口(中度以上)
中度以上の出っ歯や受け口の場合は、部分矯正では治りません。
中度の出っ歯や受け口は、歯を抜いてスペースを作り、口腔内全体の歯を矯正する必要があります。
また、歯の問題ではなく遺伝による骨格の問題の場合、外科手術が必要です。
そのため、中度の出っ歯や受け口は部分矯正ではなく、全体矯正または外科手術がおこなわれます。
開咬
開咬は、前歯のみの部分矯正では治りません。
開咬は、前歯ではなく奥歯の咬み合わせの問題であるため、全体矯正が必要になります。
また、骨格の変形が大きい場合は、外科手術が必要になるでしょう。
そのため、部分矯正ではなく、全体矯正または外科手術がおこなわれます。
まとめ
今回は、前歯の歯並びが悪い場合の改善方法を紹介しました。
軽度の悪い前歯の歯並びの場合は、部分矯正やセラミック治療などで改善できます。
しかし、中度から重度の悪い前歯の歯並びの場合は、全体矯正または外科手術が必要です。
前歯の悪い歯並びを改善することで、笑顔に自信が持てるようになり、良い第一印象を与えられるようになります。
本記事で、前歯の歯並びを改善する具体的な方法を理解し、かかりつけの歯科医院に相談してみてください。
コラム監修者
はぴねす歯科緑地公園駅前クリニック 院長 松浦 裕矢
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