「子供の歯並び」について親ならばどうしても気になりますよね。
そのため、歯並びを綺麗にするために治療について調べられた親御さんも多いでしょう。
しかし、調べていくとどうして小児矯正には第一期治療と第二期治療があるのか気になっている方も多いでしょう。
他にも具体的に以下のように気になっている方は多いでしょう。
- 「具体的にどのようなメリットとデメリットがあるの?」
- 「治療するなら早ければ早いほど良いの?」
- 「費用はどのくらいかかるの?」
- 「子供にはどんな負担がかかるの?」
小児矯正が第一期治療と第二期治療で別れているのは永久歯の生え代わりを待ったり、歯を支えるための顎の成長を促したりといったお子さんの成長を促す必要があるためです。
そのため、一度の治療では対応しきれないため、二回の治療に分かれています。
費用はトータルで100万円前後必要で、保険適用外で費用がかさみやすい点がデメリットです。
しかし、早ければ早いほど治療の効果を出しやすかったり、抜歯を防げたりといったメリットをより大きく享受できます。
さらに早ければ早いほど費用の面のデメリットも小さくできるでしょう。
そこで今回は以下のトピックについて解説します。
- 小児矯正はどうして第一期治療と第二期治療があるのか?
- 第一期治療について
- 第二期治療について
- 小児矯正を早期に治療を開始するメリットとデメリット
この記事は小児矯正の治療が分かれている理由や費用、期間、治療の目的、メリットやデメリットについても解説しています。
小児矯正に関する疑問を解決したり、正しい知識を手に入れて、子供の矯正治療に対して適切な判断を下せるようになりたいという方はぜひ参考にしてください。
小児矯正はどうして第一期治療と第二期治療があるのか?
小児矯正が第一期治療と第二期治療と分かれているのは治療の目的と年齢が大きく関与しています。
小児はまだ歯が永久歯に生え変わっていなかったり、歯を支える顎がまだ成長していなかったりと、成長する機会が多く、一回の治療では綺麗な歯を並べ切るのは難しいです。
そのため、第一期治療として歯を支えるため土台となる顎の成長を促し、第二期矯正として永久歯を並べていくという段階を踏む必要があります。
こういった背景があることを理解しておくと、第一期治療や第二期治療の目的についてよくわかるでしょう。
第一期治療について
第一期治療について目的や治療開始の適性年齢、実際に使用する装置、費用や治療期間について解説します。
細かく説明するので、お子さんが治療を受けるかどうかの参考にしてください。
第一期治療の目的
第一期治療の目的は乳歯が永久歯に生え変わる前に上顎と下顎の成長を促すことです。
顎の幅が狭いと永久歯が綺麗に並びきらずに叢生になったり、出っ歯になったりする可能性があります。
こういったリスクを防ぐために乳歯の段階で歯並びを整えつつ、顎の成長を促すための治療が第一期治療の目的です。
第一期治療を開始する年齢
第一期治療を開始するべき年齢は永久歯に生え変わる前の段階です。
一般的に6〜7歳程度から永久歯に生え変わるので、治療を開始するべき年齢としては小学校1年〜2年生程度になります。
個人差はありますが、7歳以降になると徐々に前歯の永久歯の位置が固定され始めたり、生え代わりのために奥歯がぐらつき始めたりと矯正器具が安定しにくくなりかねません。
そのため、手遅れになる前に、出来るだけはやく歯科医師に相談しに行きましょう。
第一期治療で使用する装置
第一期治療で使用する装置は主に3つの種類があります。
それぞれ矯正器具に特徴があるので、お子さんや親御さんにとってどの方法が最も適しているのかをある程度目星をつけておきましょう。
可撒式(かてつしき)矯正装置
可撤式矯正装置とはマウスピース矯正器具のような取り外しが可能な矯正器具のことを指しています。
食事の際や歯磨きの際に矯正器具を取り外せるので虫歯のリスクを抑えられることが最大の特徴です。
しかし、矯正器具の装着時間が短くなりがちなことが最大のデメリットになります。
取り外しが可能なことはお子さんにとって負担が軽減されるものの、親御さんの協力やお子さんの自制心が必要になるので、良く考慮してから判断しましょう。
固定式矯正装置
固定式矯正装置とは歯に直接矯正器具を装着して歯科医院以外では取り外せないようにする方法です。
歯の裏側から矯正装置を装着するので、違和感が気になりやすい点や、取り外せないのでこまめに通院しなければならない点がデメリットとして挙げられます。
しかし、固定して矯正するため、最も確実に矯正の成果が出やすい点がメリットです。
顎外固定装置
顎外固定装置とは口の外側につける矯正装置です。
最低でも12時間程度は矯正装置を装着しなければならず、慣れるまで違和感や蒸れ、汗などの問題に対処しなければならない点がデメリットになります。
そのため、特に顎外固定装置は親御さんがどこまで矯正装置の着脱やお子さんのモチベーションなどのサポートを出来るかが治療成功のカギになるでしょう。
第一期治療の費用
第一期治療の費用は一般的に20〜50万程度が相場です。
治療の支払い方法は最初の矯正装置の費用に全て含まれているか、歯が動いて、さらにマウスピースを新調する度に追加で支払うかの2つのパターンが存在しています。
治療費は安くないため、あらかじめ歯科医院がどちらのパターンの支払い方法なのかを事前に調べて、適した歯科医院に行くといいでしょう。
第一期治療の期間
第一期治療の治療期間は一般的に1〜3年程度です。
しかし、第一期治療は永久歯に生え変わる前に適した治療ですので、治療をいつから始めるかによって治療期間は多少変わります。
第一期治療によって生え変わり始めた永久歯が綺麗に並ぶようなら治療が終わるものの、永久歯の生え方や顎の成長によっては第二期治療に移行するでしょう。
関連記事:小児矯正の期間は?開始時期と第一期・第二期の治療期間について
第二期治療について
第二期治療についても治療の目的や開始するべき適性年齢、費用や期間、矯正方法について解説します。
歯科医師に相談する前に前提知識として理解するようにしておきましょう。
第二期治療の目的
第二期治療の目的は永久歯や乳歯を一本一本、正しい位置へと移動させて最終的な歯並びを整えることです。
第二期治療は成人した方達がおこなうような歯列矯正とほとんど違いがなく、透明なマウスピース矯正やワイヤー矯正などさまざまな選択肢が存在しています。
顎の成長も活発な時期でもあり、早めに治療を始めれば治療期間が早く終わる可能性があるので、まずは歯科医師に診てもらい治療をどうするかを相談するといいでしょう。
第二期治療を開始する年齢
第二期治療はある程度永久歯が生え変わった10〜12歳ごろから開始するのが一般的です。
永久歯に生え変わってからの治療なので奥歯がまだ生え変わっていない場合は生え変わるのを待ってから治療をすることもあります。
そのため、まずはお子さんの歯が永久歯に生え変わったかが治療の基準になるでしょう。
第二期治療の内容
第二期治療で最も使われるのは以下の2つの治療方法です。
成人向けの治療の内容とほとんど同じなので、親御さんも自身に当てはめると理解しやすいでしょう。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正とは歯の表側か裏側のどちらかから矯正をおこなう方法で、装置が取り外せないことが最大の特徴です。
そのため、違和感を感じたり、虫歯になりやすかったり、表側の矯正であれば目立ちやすかったりするものの、最も矯正の成果が出やすい方法になります。
表側矯正と裏側矯正の違いは表側の方が目立ちやすいものの、費用が安く、裏側は費用が高いものの目立ちにくいです。
マウスピース矯正
マウスピース矯正はマウスピースを利用して矯正していく治癒法です。
最大の特徴はマウスピースを取り外せることで、虫歯になりにくかったり違和感を感じた際にすぐに対処できます。
しかし、矯正器具が取り外せるので、どうしても矯正時間を確保しにくく、強い自制心がなければ成果を出すのが難しい矯正方法です。
そのため、マウスピース矯正をする際は親御さんもしっかりとサポートしてあげましょう。
第二期治療の費用
第二期治療の費用は第一期治療をおこなっているかで変わってきます。
第一期治療を経験している場合であれば40〜60万程度ですが、第一期治療をおこなっていない場合であれば80〜110万程度の費用が必要です。
第一期矯正の有無によって歯を並べる難易度が変わるので、場合によって費用の差が出ています。
どのような場合でもトータルで100万円前後かかることを認識しておくといいでしょう。
第二期治療の期間
第二期治療の治療期間は一般的に1〜2年程度時間が必要です。
顎の成長が終わり始めたり、歯の位置が固定され始める時期なので、この時期に歯列矯正をおこなうことは将来的に非常に高いコストパフォーマンスが得られるでしょう。
また歯も動きやすいので、治療期間も成人してからおこなうよりも早いので少しでも興味があるなら歯科医師に具体的な相談をしに行くと良いです。
小児矯正を早期に治療を開始するメリットとデメリット
小児矯正を早期に治療を開始するとメリットとデメリットがいくつか存在しています。
メリットは以下の3つです。
- 抜歯を回避できる
- 顎の成長をコントロールできる
- 矯正期間を短くできる
早期に小児矯正をすると抜歯しないで済みます。
理由としては幼い頃から矯正するとある程度、顎の成長をコントロールできて、歯をしっかり並べるためのスペースを確保できるからです。
また永久歯になる前から治療を開始すると圧倒的に歯を並べやすくなるので、矯正治療の期間が短くなるでしょう。
一方で、抑えなければならないデメリットは以下の3つです
- 保険適用されない
- 本人の努力が必要になることがある
- 虫歯になる可能性がある
小児矯正は美容や審美性の目的であると判断されてしまうことが多いため、保険適用外になります。
また小さなお子さんが小児矯正をするのは非常に負担になるので、ある程度我慢する努力を強いられることもあるでしょう。
さらに矯正器具を歯に付けていると歯を磨きにくくなったり、汚れが付きやすかったりするので虫歯のリスクも上がることも理解しておかなければなりません。
他にも注意するべきデメリットやメリットも存在しているので、詳しく知りたい方は以下のURLを見てみると良いです。
関連記事:小児矯正のメリットとデメリットについて
まとめ
小児矯正はまだ歯を支えるための顎の成長や永久歯に生え変わりを待つ必要があったりとどうしても一度の治療では矯正しきれません。
そのため、第一期治療は永久歯の土台となるお子さんの顎の成長を促すという目的のための治療です。
そして、第二期治療では成長した顎と永久歯が揃ってきたタイミングでしっかりと歯を並べていきます。
早ければ早いほど綺麗に顎の成長が促され、歯もきれいに並びやすく治療期間も短くなりやすいです。
治療をするのであれば早めに決断した方がいいので、まずは歯科医師に相談しにいくのも良いでしょう。
コラム監修者
はぴねす歯科緑地公園駅前クリニック 院長 松浦 裕矢
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